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風が吹いても痛い 痛風の原因プリン体

プリン体は、細胞の中にある核酸を構成する成分の一つで、
人体はもちろんほとんどの食品や飲料に含まれている成分。

不要になった核酸は、分解され、尿酸へと変化するのですが、
その尿酸の量が増えすぎると体外に排出されなくなってしまうと、
関節や末端で結晶となってたまり、痛風の原因となってしまいます。

プリン体が多く含まれる食品は、精巣、卵巣、内臓や、乾燥によって細胞が
凝縮されている干物など。
また、アルコールでいうと、ビールの原材料である麦芽に多く含まれています。

適量飲酒や、適度に食べる分には問題がありません。
いつも言っていることですが、何をするのも「ほどほどに」が重要です。

【詳細】  風が吹いても痛い 痛風の原因プリン体

最近、缶ビールで「プリン体99%カット」なんて文字をよく見かけませんか?
デザートのプリンとは違う気がするけれど、だからと言って何かはよくわからない…なんて人もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、そんなプリン体についての知識をお届けしたいと思います。

 
■ プリン体って何?

プリン体は、細胞の中にある核酸を構成する成分の一つです。核酸は遺伝に関わる物質。プリン環という共通の化学構造であることからこう呼ばれるようになりました。プリン体は、あらゆる生物の細胞に含まれているものなので、人体だけではなく、ほとんど全ての食品や、アルコール飲料などにも含まれています。構造上、細胞数の多い食品ほど、プリン体も多く含まれていることになります。ちなみに、プリン体のプリンは、「プリンヌクレオチド」というラテン語からきているので、デザートのプリンとは関係がありません。

プリン体は、ほとんど全ての細胞や食品に含まれているものなのに、カットされたり、なぜかみんなの嫌われ者。それってどうしてなんでしょう?体に悪影響を与えているのでしょうか。

 
■ プリン体がカットされる理由

間の体内には、2種類のプリン体が存在しています。一つは、食事やアルコールなどの飲料から摂ったプリン体と、自分自身の新陳代謝による古い核酸の分解や、激しい運動などによって体内で作り出されたプリン体です。
不必要になったプリン体は、肝臓で尿酸に代謝され、その後肝臓で老廃物としてろ過され、尿となって体の外に排出されます。尿酸は、通常は体内で一定量に保たれているのですが、その量が増えすぎると水に溶けにくいことも災いして、関節や体の末端で結晶となって固まってしまいます。その結晶は、人間の体の免疫系からすれば、異物と見なされてしまいます。免疫が異物と見なすと、白血球などがその異物を激しく攻撃するので、そこで痛みを感じることになるのです。

それが俗に言う「痛風」。普段は何でもないのですが、発作が起きたときは、風が吹いても痛みを感じるという例えから、そういう名前がついたのですが、プリン体は、その痛風を引き起こす原因物質の一つなのです。

ちなみに、血中の尿酸濃度が100ml中、7mgを超えると、高尿酸血症と診断され、この状態が数年続くと痛風を発症しやすくなるそう。成人男性の約2割は、この高尿酸血症とも言われています。女性はホルモンの影響で尿酸値が上がりにくくなっているため、患者の99%は男性です。

痛風は、高脂血症や高血圧症、糖尿病などを引き起こす原因にもなり、また痛みも相当ひどいことから、できればかかりたくない病気ですよね。では、プリン体の量を減らすためには、どうすればよいのでしょうか。

■ プリン体が多く含まれる食品、お酒

プリン体が多く含まれる食品は、細胞数が多いものということなので、食品の中では精巣、卵巣、内臓や、乾燥によって細胞が凝縮されている干物などに多く含まれていることになります。

以下、プリン体含有量の多い代表的な食品をあげておくので、あまり過剰に摂りすぎないように注意してください。

・レバー類
・干物類
・アンキモ
・エビ
・カキ など

食品に含まれるプリン体は、水に溶けやすい性質があるため、魚や肉のゆで汁や、焼いた後の油などを摂らずに捨てれば、プリン体はカットすることができます。

また、アルコールの飲み過ぎは高カロリーとなるので、エネルギーの過剰摂取につながることはもちろんですが、アルコールは血中の尿酸値を上昇させるのでより注意が必要です。プリン体はアルコール飲料の中ではビールに多く含まれていると言われています。銘柄によってもちろん量は違いますが、麦芽に多く含まれているため、麦芽比率の低い発泡酒は、含有量は少なくなります。

もっとも、適量飲酒であれば、それほど心配する必要はありません。やはり、過剰飲酒、暴飲暴食が、体に悪影響を及ぼすわけです。風がふくだけで激しい痛みを感じるような、つらい毎日を送りたくなければ、適量飲酒を心がけるようにしましょう。

 
■ 最後に…

これを読んでいただくとわかるように、だいたい楽しく飲めるのは、酩酊初期くらいまでかと思います。健康にプラスの効果を発揮する飲み方でいうと、ほろ酔い期くらいの量です。もちろん、体質など個人差はありますし、この飲酒量は、血中のアルコール濃度を参考に出した数値です。しかし、飲みすぎてしまいそうになった場合は、どの程度飲めば危険な状態になるのか、酩酊初期くらいの量を飲んだときに、このコラムを思い出してみてくださいね。

 

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