「ばっかり食べ」って何?日本人の味覚に合った三角食べ?口中調...

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『ばっかり食べ』 は日本の食文化の危機?!

口中調味で、知らない間に脂肪分やカロリーを減らし、必要な栄養素を摂る

「ばっかり食べ」って何?日本人の味覚に合った三角食べ?口中調味の意味?ばっかり食べの原因?

最近テレビや雑誌などで取り上げられている「ばっかり食べ」。このばっかり食べって、一体どのような食べ方のことなんでしょうか。

「ばっかり食べ」って何?

この「ばっかり食べ」とは、その言葉の通り、おかずやご飯を一品ずつ食べ、食べ終わるとまた次のおかずをを食べる…というひとつのものばっかりを食べる食べ方のことです。いわゆる三角食べとは違う食べ方を指します。子どもの頃に「三角食べ」を習ったと思うのですが、最近は、「ばっかり食べ」をする子どもが増えているそうです。「三角食べ」から「ばっかり食べ」へ食べ方が変化した背景には、どのようなことがあるのでしょうか。

日本人は、従来「三角食べ」をしてきました。三角食べとは、例えばごはん→おかず→おみそ汁→ごはんと、繰り返しで、全体をまんべんなく、均等に食べていく食べ方のこと。このように、ごはんとおかずを口の中で混ぜながら食べることを「口中調味」と言います。おかずと一緒に食べるごはんの量を減らせば、味は濃くなりますし、逆にごはんの量を増やせば味を薄くすることができます。つまり、ごはんを間にはさんで、自分で口の中で味付けをしているわけです。私達はこういった食べ方をすることで、知らないうちに味の深みや幅を広げているのです。

でも実は、この「三角食べ」をしているのは、日本人だけ。欧米人はこのような食べ方をしません。例えば、わかりやすいのが丼もの。日本人はだいたい、具とごはんを一緒に食べていくので同時に食べ終わりますが、欧米人は、具とごはんを一緒に食べることができないので、先に具だけがなくなり、後から米だけを食べるそうです。

こうして見ると、日本人独特の食べ方が、食の欧米化により、食べ方まで欧米化してきているということが言えるのではないでしょうか。

口中調味の意味

では、なぜ口中調味がよいとされてきたのでしょうか。
目の前に、ごはんと味の濃い肉料理があるとします。それを食べるとき、従来の口中調味で食べていくと、少しの量のおかずで、ごはんを食べることができますよね。でも、それができなくなると、おかずの量も増えるので、多くの脂肪分を摂ることになります。つまりは、口中調味は、味だけでなく、高脂肪食のものでも、知らない間に脂肪分やカロリーを減らしたり、そのときの体調や必要な栄養素を摂ることができるということです。

ばっかり食べの原因

ばっかり食べの原因として、いくつかの説があげられています。まずは、全体的に薄味のものが増えたこと。最近スーパーなどでも「塩分控えめ」と書かれた商品をよく見かけます。塩分を控え、薄味のものが増えると、ごはんで味を薄める必要がなくなるので、自然と口中調味も必要なくなったという説があります。
また、食の単品化が進んだことや、一人で食事をする機会が増えたことも原因と言われています。例えば、先ほど例にあげた丼ものや、チャーハンなど、おかずとごはんの区別がなくなったことで、おかずとごはんを交互に食べるという習慣がなくなったとも言われています。一人で自炊などをしていると、作るおかずの量や、品数も減るので、おかずだけを食べ続けるようになったというのも原因だそうです。

日本の食文化の危機

このばっかり食べが増えるということは、日本の食文化の危機とも言われています。日本人の味付けや味覚はとっても繊細です。海外から帰国した後など、特に日本食のありがたみを感じるかと思います。ばっかり食べをする主な理由は「味が混ざるのがイヤ」ということらしいのですが、それは、食の変化によって、味覚も変化しているということではないでしょうか。健康にもよい、日本独特の食文化。守っていきたいものですね。

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