酢豚のパイナップルの効果とは?

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『酢豚のパイナップル』 タンパク質分解酵素たっぷり

タンパク質を分解し消化吸収をよくする、肉を柔らかくするなどの効果あり

酢豚のパイナップルの効果とは?

酢豚の中になぜか存在しているパイナップル。日本では果物を温めたり、おかずとして食べることが少ないので、「なぜ、おかずにパイナップルが…?」と疑問に思っている方も多いのでは?中には「何でそんなことするの?」とか「だから、酢豚はキライ」なんて方もおられるかもしれませんね。 でも、あのパイナップルは、きちんと意味があった上で、入っているのです。味覚の面でも、健康の面でも、ちゃんとした意味や効果があるんですね。では、あのパイナップルには、どんな意味があるんでしょう?
今回は、そんな酢豚に入っているパイナップルの秘密に迫ってみたいと思います。

酢豚のパイナップルの効果とは?

○味をさっぱりさせる効果

まずは味覚の問題。好き嫌いは別として、パイナップルが酢豚独特の甘酸っぱさをさらに増幅させてくれます。また、食欲を増進させはたらきのあるクエン酸やリンゴ酸などが含まれているため、脂っこい酢豚をたくさん食べられる効果もあります。この効果は、パイナップル自体を食べなくても、そこに入っているだけで味に深みを増し、食欲増進効果もあります。

○タンパク質を分解し、消化吸収をよくする

酢豚にパイナップルを入れる一番重要な理由がこれです。パイナップルには、ブロメリン(ブロメライン)という、酵素が含まれているのです。
ブロメリンとは、パイナップルの果汁や葉から作られる消化酵素の一つで、タンパク質を分解する能力にすぐれていて、胃腸の負担を軽め、消化吸収を高める働きがあります。つまり酢豚にパイナップルがあるからこそ、肉のタンパク質もしっかり吸収できるのですね。また、よく熟した甘いパイナップルを食べると、舌がピリピリするなんて経験はありませんか?実は、それもブロメリンによる刺激が原因。ブロメリンの持つタンパク質分解作用が強すぎて起こるんです。それくらい、強力な酵素だということですね。
他にも、ブロメリンには、ケガやねんざ、関節炎などの炎症の腫れや痛みを抑えたり、腸内の不廃物を分解する作用もあるので、下痢や消化不良、ガス発生などの消化器系の障害にも効果を発揮します。

○肉を柔らかくする

調理でも、ブロメリンにはお肉を柔らかくする働きがあります。しかもブロメリンは体内だけでなく、調理中でも効果を発揮するので、パイナップルと一緒にお肉を調理すれば、お肉も柔らかくなります。ただし、ブロメリンは60度以上で加熱すると、効果が失われてしまいます。効果を活かすためには、生のパイナップルを後で入れてあげる方がいいでしょう。ブロメリンは、調理の時にお肉を柔らかくし、体内に入ってからも、タンパク質の分解をよくする、二重に体にやさしい存在です。

○パイナップルのその他の効果

パイナップルには、他にも様々な効果があります。
パイナップルに含まれる食物繊維には、便通を促進し、コレステロールや体の毒素を排出する作用があります。それによって、大腸がん、動脈硬化、老化を予防したり、胃や腸の中で水分を吸収して膨らみ満腹感を与えるため、食べ過ぎを防ぎ、ダイエットにも効果があると言われています。また、パイナップルはビタミンA、B1、B2、Cやカルシウム、鉄などのミネラルなどを含有しています。ビタミンB1は糖質代謝を助ける働きがあるので、疲労回復に役立ちますし、高血圧予防に有効なカリウム、抗酸化作用のあるビタミンCなども含まれています。ただし、未熟なものを食べると、消化不良や肌荒れの原因になりやすいので、注意しましょう。

最後に

外食で酢豚を食べると、たいていパイナップルって入っていますよね。今までは何となく食べていなかった人も、これからは意識的に一緒に食べるようにしましょう。もちろん、酢豚だけでなく、ピザやステーキなどに入っているパイナップルも同じ効果があります。どうしても温かいパイナップルは食べられない!という人は、デザートに食べるとよいでしょう。それでも、タンパク質をちゃんと分解してくれます。
ただし、上記にも書いたように、ブロメリンは熱に弱い酵素です。缶詰のパイナップルは、熱処理されているため、効果がありません。食べるなら、生のパイナップル、または、生搾りのパイナップルジュースを調理に使ってみるとよいと思います。

今は熱帯果実であるパイナップルも1年中食べられる時代ですね。しかもパイナップルは比較的安いのも嬉しいところ。ちょっと肉気を多く食べたなぁと思った日には、夜か翌朝にデザートとしてパイナップルを食べるようにしてみてもいいのではないでしょうか。

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