急性肝炎とは?A型肝炎の特徴/B型肝炎の特徴/C型肝炎の特徴...

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『怖い急性肝炎』 ~慢性化すると死にいたることも… 

肝臓が炎症を起こすのが「肝炎」。中でも主にウィルスが原因で急性の経過をたどるのが「急性ウィルス肝炎」

急性肝炎とは?A型肝炎の特徴/B型肝炎の特徴/C型肝炎の特徴/感染したら…

お酒をよく飲む人が気になる臓器が「肝臓」。肝臓の病気と言ってもいろいろありますが、今回のテーマは「急性肝炎」です。B型肝炎などと呼ばれるものが、急性肝炎なのですが「A型」「B型」などと言われても症状や感染ルートの違いは、わかりにくいものです。というわけで、今回はそれらの違いについてご紹介していきます。

急性肝炎とは?

急性肝炎とは肝炎ウィルス感染、薬物、アルコールやその他のウィルス感染によって急性の炎症を起こす肝障害のことです。一般的に言われる急性肝炎は、肝炎ウィルスによる急性ウィルス肝炎を指しており、そのウィルスの種類により、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、E型肝炎、その他のウイルスによる肝炎に分類されます。

日本では、年間約35万人が急性肝炎を発症していると言われています。症状はそれぞれ違いますが、全般的にウィルスが体内に侵入すると、肝臓でウィルスを排除しようと免疫反応が起き、その影響で肝細胞が破壊され発症します。

共通した症状としては、上腹部の不快感、吐き気、けん怠感、食欲不振、褐色尿などがあります。また高熱と共に、頭痛や腹痛、下痢、吐き気などの消化器症状が現れることもあり、うっかり風邪と勘違いすることもあります。

多くの場合、肝障害の特有の症状である黄疸(おうだん)が現れます。血液中にビルリビンという黄色い胆汁色素が増加し、皮膚や眼球の白目の部分が黄色くなるのが黄疸です。この黄疸が出れば、すぐに病院へ行かなければなりません。

それでは、発症者の多い「A型肝炎」「B型肝炎」「C型肝炎」の具体的な感染ルートや特徴を見ていきましょう。

A型肝炎の特徴

日本では年間10万人が発症すると言われるA型肝炎。ウィルスに汚染した生の魚介類を食べることによって感染します。日本では生牡蠣による感染が有名ですが、東南アジアやアフリカなどの途上国で感染し、帰国後に発症することも多い肝炎です。
40代後半から50代以上の方は抗体を持っていることが多いため、若年層に比べ高齢者は比較的感染しにくい肝炎です。腎機能障害を併発し腎不全を起こしたり、劇症肝炎になる例もまれにありますが、ワクチンもありますし、発病後数ヶ月で自然治癒することも多いため、慢性化する心配はほとんどない肝炎です。

B型肝炎の特徴

日本では年間10万人が発症すると言われるB型肝炎。B型肝炎(HB)ウィルスの感染によっておこります。 主な感染ルートは血液や体液で、傷口や母子感染、汚染された注射器、入れ墨、性交などによって感染する肝炎です。B型肝炎は、発症することはなくても半永久的にウィルスを保持しているHBウィルスキャリアと言われる人々がいます。以前は、キャリアの人々の血液による輸血などによって感染することも多かったのですが、近年は減少傾向にあります。  一方、性行為によって感染することから、エイズなどと同じく性行為感染症として注意しなければならない病気の一つでもあります。

ワクチンもあるので、一過性のものであれば、劇症肝炎にならない限り完全に治りますが、慢性肝炎に移行したり、肝硬変、肝臓ガンになる可能性も否めない肝炎です。

C型肝炎の特徴

日本では年間14万人が発症すると言われるC型肝炎。B型肝炎と同じく、輸血や注射、入れ墨、性交によって感染しますが、感染力がB型ほど強くないので、母子感染や性交による感染はほとんどありません。ウィルスの確認ができなかった時代に行われた輸血や注射によって感染した人がほとんどです。血液製剤によって、エイズウィルスと重複して感染している人も少なくありません。

感染力は強くないのですが、一方で慢性化しやすいのがC型肝炎の特徴です。 症状が出にくいため、気が付かないままゆっくりと肝硬変、肝臓ガンへと症状が悪化していくこともあります。慢性化してから4~10年で肝硬変に、12~17年で肝臓ガンに進展すると言われています。 とは言っても、1989年以降は献血者のC型ウィルス抗体の検査がされているので、輸血後の感染者の数は激減しています。

感染したら…

急性肝炎は、ウィルス感染後、だいたい数週間から数ヶ月後に発症します。治療は、入院して安静にし、肝組織の再生能力を高めるために、高エネルギー、高タンパク、高ビタミンの食事をします。 悪化し劇症肝炎に移行してしまうと、脳浮腫や感染症、消化管出血、腎障害などの重い障害を引き起こすことも多く、多臓器不全から死にいたることもあるので、なんとしても、劇症肝炎への移行は防ぎたいものです。

全ての肝臓病に共通して言えることは、「自覚症状がなく気が付きにくい」という点です。肝臓は沈黙の臓器と言われるだけあって、気づいたときには手遅れだった…ということが大変多いです。

上記のような症状や、感染源に心当たりがあれば、早めに病院へ行ってきちんと検査しましょう。最近の医学の目覚ましい進歩によって、何事も早め早めに対処すれば、最悪の結果には至りません。常に自分のカラダをいたわり、カラダと対話しながら不調な箇所は早期対処するように心がけましょう。

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