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依存症になりやすい体質 女性のキッチンドリンカー

女性は体格や女性ホルモンの影響で、男性に比べてアルコール依存症に
陥りやすく、病気になるスピードも速いと言われています。

職場のお付き合いなどで飲み始めることが多い男性とは違い、
女性がお酒に依存するのは、精神的な理由も大きいとか。
依存症になっても男性に比べて女性の方が症状が軽いのが救いですが、
一方でそれだけ早く、依存症の症状が表れやすいということでもあります。

また、妊娠中の飲酒は、アルコール処理能力がない胎児にも母体と同じ濃度の
アルコールが伝わるので、その後の成長にも大きな悪影響を与えます。

物理的に女性はアルコールに弱いのです。自分のカラダをいたわってください。

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近年、喫煙人口と同じように全体的にお酒を飲む人の人数は減ってきていますが、女性の割合は増えてきていると言われています。また、女性はキッチンドランカーという言葉もあるように、男性に比べてアルコール依存症に陥りやすいそうです。それって、どうしてなんでしょうか。今回は、そんな「女性のアルコール依存症」について取りあげてみたいと思います。

 
■ 男性と女性のアルコールに対する体質の違い

女性のアルコール依存症患者が増える理由というのはなぜなのでしょうか。

アルコールは肝臓によくないというのは周知の事実です。肝臓は「脂肪肝」→「アルコール性肝炎」→「肝硬変」という順番で序々に悪化していくのですが、男性が15年~20年飲酒を続けて肝硬変になるのに対し、女性はその3分の2程度のスピードで肝硬変に至ってしまいます。

その原因の第一は、体格の差です。当然個人差はありますが、女性の方が男性に比べて体重が軽いですよね。それはすなわち、体内の血液の量も少ないということ。ですから当然男性と女性が同じ量のお酒を飲めば、女性の方が血液中のアルコール濃度は高くなってしまいます。同じように、肝臓も男性に比べると女性の方が小さいため、同じ量を飲んだ場合のアルコールの処理スピードは、男性に比べて劣ります。

そして、もう一つの原因は女性ホルモンです。女性ホルモンである「エストロゲン」は、肝臓のアルコール代謝を遅らせます。月経前の女性はエストロゲンの分泌量も多いため、特に酔いやすくなっているので注意が必要です。

以上のような理由から、女性は元々アルコールには弱い体質であると言えるでしょう。

■ 女性がキッチンドランカーになりやすい理由

みなさんは、キッチンドランカーという言葉を知っていますか?これは、元々アメリカで使われはじめた言葉なのですが、料理に使っていたお酒を味見がてら飲んでいるうちに、その味にはまってしまいやめられなくなってしまう状態を指しています。一般的にはキッチンは女性が主に使う場所であり、お酒をこっそり手にすることも簡単な場所であることから、このように言われるようになったようです。

女性がアルコール依存症になるきっかけというのは、失恋や夫婦の問題、子育てなどの心理的なものが原因と言われています。また、毎日お酒を飲む女性の人数の割合は、年齢が上がるほど増えていきます。

男性は職場のお付き合いなどからお酒をはじめるのがほとんどですが、女性の場合はお付き合いの場合もありますが、一方ではそういった心理的な背景が原因でイヤな気分を忘れようと飲み始めるパターンも多いそうです。

特に、キッチンドランカーという言葉が指すように、専業主婦などはアルコール依存症になりやすいようです。平均的な例としてあげられるのは、ごく一般的な家庭の40代くらいの中流家庭の主婦です。他人から見れば、生活に苦労しているわけでもなく、幸せな家庭のごく普通の専業主婦がどうして…?と思うかもしれませんが、これが意外にストレスが多いのです。
 40代と言えば、子どもも独立する年齢に差しかかり、育児も一段落する年齢。その分夫婦でゆっくりできればいいのですが、30代~40代と言えば年齢的にも体力的にも、男性が一番仕事で多忙な時期。特に趣味などを持たずに来た女性は、育児の時間がなくなった分、ひとりでの暇な時間が増えます。
 そこで、趣味や自分が打ち込めるものが見つかれば、生活にハリも出てくるのでしょうが、それが見つけられない人は、ストレスを回避するためにお酒を手にするようになる場合があります。
 男性のように、専業主婦は外で飲む機会も今までなかったけれど、だからと言って今さら外に1人で飲みに行くのも気がひける…。そんなことから、昼間こっそりひとりでお酒を飲むようになり、止めてくれる人もおらず、そのままやめられなくなってしまい、アルコール依存症になるというパターンが多いようです。

また、更年期に差しかかる年齢であることから、閉経やホルモンバランスの崩れによって、アルコールに対応しにくいカラダになっていることも問題です。

一つ救いがあるとすれば、女性はアルコール依存症になっても、男性に比べて症状が軽いということです。ただ、裏を返せば、それは男性に比べて早い段階で依存症に陥るので、カラダに悪影響が出る前に気づくというだけのことでもあります。症状が軽いからと言って安心するのではなく、その前にお酒を断つのがやっぱり一番です。

 
■ お酒が与える胎児への悪影響

また、女性の飲酒における問題は、アルコール依存症だけではありません。
 お酒が好きな若い女性が特に注意しなければならないのは、妊娠中の飲酒です。タバコに比べて害は少ないし、少量の飲酒はカラダによいと言っても、お酒を飲むと、胎盤を通じて胎児にも母体と同じ濃度のアルコールが届きます。胎児にはアルコールを処理する能力がないため、早産や、障害を持つ赤ちゃんが生まれる確率もグッと高くなります。

さらにひどい場合は、胎児性アルコール症候群と呼ばれる症状を持つ赤ちゃんが生まれる場合もあります。飲酒の影響によって、精神や発育の遅れが見られます。特に妊娠初期3ヶ月の飲酒は奇形に、後期3ヶ月の飲酒は出産後の成長に大きな影響を与えると言われます。

「妊娠したらお酒をやめる」と言っていても、気づくのは妊娠後数週間~数ヶ月後ですから、その間にもどんどん発達していっている赤ちゃんの脳や器官には確実に悪影響を及ぼしています。
 このような様々な理由から女性は特に、お酒には注意した方が良いでしょう。女のくせに…というような女性差別的な意味合いではなく、物理的に女性はカラダが小さくアルコールに強くないわけです。子どもが産めるのも女性特有のこと。女性であることということを大切にしましょうね。

 

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