投げ飛ばせ

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投げ飛ばせ

主人は元警察官で若い頃柔道の国体にも出る選手でした。
近所でも教え子がいる等有名でしたが、十年前ほど下半身付随をわずらい、闘病が続いていました。直ったものの70歳も近く、柔道をもう一度やりたいというのは無謀に思われましたが、簡単な散歩から始まり今では懸垂までしているという精神力。何よりも元気で、それが一番の原因かもしれません。

そしてどうしても組みたいというので長男の嫁にお願いして組んでもらうことに。
柔道着もない私服でしたが、足がもつれながらも全身の力で嫁さんを抱える姿に思わず頑張ってと手に汗握ってしまいました。そして綺麗ではないけれど見事な背負い投げを見せてくれました。

そしてこの姿をみんなに見せようと家族演劇という形で公民館で主人の名技を見せました。
設定があり、私と嫁さんが喧嘩している所で夫が嫁さんをやっつけて私を助けるというもの。

私に対し、嫁が強い口調で怒っている場面から始まり、よぼよぼした歩き方をしながら主人が登場すると観客は一斉に拍手。
主人は嫁さんの方に向かって時々つまづきながらも歩いていき、気の強いお嫁さんをなだめるように諭しながら、ちょっぴり腰やお尻をタッチ。

おどけるようなお爺さんの演技にみんなクスクス。

すると嫁は怒りが爆発。主人に向かって飛び掛ろうとすると主人はよろけながらも見事な払い腰で嫁を倒す。その後も向かってくる嫁さんに対し次々に技をかけていなす。その芸術性に会場からも感嘆の声が漏れ、技が掛かる度に「よいしょっ」とか「それー」と歓声が上がりました。
そしてみんなで「もう1本」のアンコールを掛けると主人も身を引き締めて登場。嫁を鮮やかな一本背負いで投げると押さえ込みも演出し、嫁さんが「参りました」というと「やったぞ」と叫んで会場を沸かす。

主人の元気な様子に会場の人も喜んでいて嬉しく感じました。悪役を引き受けてくれた優しい嫁にも感謝です。
一番緊張した時はと聞かれると「押さえ込む時、お姉さんのお尻に顔が当たってドキドキ。ちょっぴり匂いを嗅いでしまった」と話す助平な所も健在。それでもみんなニコニコ。愛されている様子にただ感謝です。

 
投稿者 ayako83 さん 投稿日 2009/09/26 13:36 コメント数 0件 不適切通知をする  
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