母の強さと有難さ
東京の大学に入学したいと話た時、母は大変喜んでくれた。
東京の大学に行きたかった理由は単純に東京に行きたかったからだった。
家にはお金はある方だと勝手に思い込んでいた。
ろくに勉強もせず、仕送りとバイト代で遊びほうけていたが、
なんとか東京で就職できて、やっと親のすねをかじらずに生きていけるようになった。
ただ、やっぱり社会は甘くはなく、仕事と職場の人間関係から僕は過食症になった。
食べては吐き、食べては吐きの連続。
そんな時、父が倒れたと母から連絡があり、急いで実家に帰った。
僕が着いたころには父は病院から戻り、実家で休んでいた。
「お母さんは?」と父に聞くと、パートに出かけてるという。
専業主婦だったはずの母が僕が大学に入学した時から近くのスーパーでパートをしていたらしい。
自給700円のレジ打ち。
母が毎日働いて仕送ってくれていたお金で学生時代僕はパチンコをしていたのだと思うと自分が情けなくなって涙が止まらなかった。
去年の冬のボーナスで初めて母親に冷蔵庫を買ってやった。
母はポロポロ涙をこぼしていた。
僕は決して高給取りじゃないけど、今は毎月少ないながら母に仕送りをしている。
母には本当に感謝している。いつまでも元気でいてほしい。
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