あなただって大丈夫!あなただから大丈夫。
ある夜ふけに、胃の辺りに「ニブい痛み」を感じるようになりました。
だが診ていただいたお医者さんからは「あらら、胃炎ですね」と胃薬をひたすら処方され、鈍痛が引くどころか段々と我慢ができないくらい、おなかの中の臓器を鷲掴みにされたように痛むようになりました。
膵液が膵管から漏れて、すい臓を溶かす「急性膵炎」。そりゃ胃薬じゃ効かないわな‥。
だが今 思えばこの膵炎こそ、その後17年も私につきまとうクローン病の序章だったと、後になってから気づきました。
それ以降は好不調の波がありながら7回ほど入退院を繰り返すことに。
僕の場合、クローン病としての症状は慢性的な炎症による発熱とだるさ、便秘、下痢、消化吸収不良によってまともな食事が摂れないetc。
これといった治療薬といえばステロイドぐらいで、他はひたすら絶食療法。
この絶食は「空腹」との闘い、荒行でした。でもそのうち慣れてくるものですけどね。
しかし頭の中では「退院したら○○のウナ重食べるぞ!」などの妄想と、清楚なナース服だけが密かなモチベーションでした(苦笑)。
そうこうしながらも入退院を繰り返しつつ、クローン病によって私の腸は少しずつ弱って いきました。
ある時小腸と大腸が強い炎症によってくっついてしまい、腸管に穴が空く「瘻孔」となってしまい、外科の手術を。
僕のおなかに、人工肛門(ストーマ)が2つ付きました。
この時以降、6~8週おきにレミケードを使っています。とても良く効いてくれたおかげで、その後の体調は安定し、ハーフマラソンを完走出来るほど元気になりました。
こうして振り返ってみて、こうして今、元気で幸せな毎日に辿り着いた違いは何なのか…。
一つはあきらめなかったこと。
いつかは良くなる日が来るんだ、根拠は無くても春は来るんだ、嵐のぶ厚い雲の向こう側には、眩しい太陽が燦々と輝いているんだと信じたこと。
一つは支えてくれた妻がいたこと。
僕の収入は同年代の人と比べ たら悲しくなるどころかまともに働き続けることすら満足でない状態。
食事は食べられないものが多くてとても手がかかるし、いつ見捨てられても反論できない立場の僕を、彼女は支え続けてくれたんです。
はっきり言って一番の功労者!
一つは心まで病人になりきらなかったこと。生き方は自然に沿っていたか、生活の間違いは何だったのかなど、日々の生活の積み重ねが今に現れたものが「病気」として表れるもの。
さあこれからが健全で健康な生き方を目指すのみですが、そのためにはどういうことに気をつけて手抜きしないでやっていこうか考え、立ち止まる時間をいただいたと受け止めました。
※入院中、くじけそうになった時に救われた言葉を紹介します。「人生に何かを期待するのは間 違っている。人生が、あなたに期待しているのだ」。(精神科医「フランクル」の「夜と霧」より)
あと一つは、負けねーぞ!ていう気合い(笑)
とは言いながら、今年6月に閉塞の手術をするため3年ぶりの入院。「まさか!」はあるので油断は禁物ですね!
今回はあまりの痛さに耐えきれずギブアップしそうになりながらも、妻や子ども達、沢山の仲間から「良くなって!」と勇気が湧く励ましを頂いたおかげで元気な体を取り戻せたこと、ありがたく感謝の気持ちでいっぱいです。
最後に言いたいことは、「あなたに乗り越えられない壁はない」「困難は成長への招待状」など、これらは本当です。誰にでも長い人生の間には試練や困難など何度もあると思います。時には辛い思いをする時だって…。
そ んな時こそ、明るい希望さえ忘れないで自分の足で立って受けて立つ、倒れそうになったら誰かに支えてもらったっていいんだから。そして天は見捨てない、あなたはだいじょうぶ!守られている!と、デタラメ三昧をしてきた僕でさえ回復できたってことを励みに思ってもらえたら本当に、ほんとうに嬉しいです。
この病気をいただいおかげで、これから先どんな問題や困難が起きたとしても、しっかりと対応し乗り越える自信がついた気がします。これからはまーいーペース(マイペース)で、家族で手を取り合いながら、今まで以上に体を大切に労わりつつ、ゆっくりと人生を味わっていこうと思います。
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