回答者 れへばじ さん ( 専門家 ) | 回答日2007/02/21 01:39 |
![]() |
現在のところ、質問して下さった方が小麦アレルギーをお持ちの場合や、代々小麦アレルギーの家系と言っても過言ではないような場合、近い親戚に生命に関わるほどのひどい小麦アレルギーを起こした方がいらっしゃるような場合を除き、アレルギー予防のために食事制限を行うことは避けたほうがよいという考え方が一般的のようです。
詳細は、質問して下さった方も含め、親戚の方々の食物アレルギーの情報(誰が、何歳くらいに、どんな食物でアレルギーを起こしたか、症状はどれくらい重いものだったか、アレルギーは何歳くらいまで続いたか、といった内容を詳しく)を、かかりつけのドクターや栄養師の方々の方にお伝えし、ご相談なさることができればベストです。ですが、そこまで詳細な情報をお伝えすること自体が、机上の空論だという気もします。 授乳中の方の、食事に関する一般的な注意点をまとめると、以下のようになります。 ・同じ食材の食べ物ばかり食べないようにする。 ・刺激物は食べないようにする。 ・塩分は控えめにする。 よって、質問して下さった方の場合、パンやパスタを召し上がってはいけない訳ではないと考えられます。ですが、「思いっきり食べる」ことはよいことではありません。白米などと上手にローテーションを作っていただくようにお願い申し上げます。 極端な食事制限は、質問して下さった方の健康を損なう恐れがあります。また、母乳の栄養バランスや味が悪くなってしまい、お子様の健康にまで影響する可能性もあります。 食事内容に関しては、全体的にはうす味の和食のようなイメージで、主食・主菜・副食をきっちり、バランスよく召し上がるようになさることがよい考えられます。また、育児日記などに、質問して下さった方の食事とお子様の体調不良について記録していくと、非常に参考になります。質問して下さった方が、いつ、何を召し上がったのか、お子様に、いつ、どのような体調不良が起こったのかを詳しく記録なさるとよいと思います。このような記録をドクターに見て頂いて、その都度アドバイスして頂いてはいかがでしょうか。 授乳婦の方々が、食物アレルギーの予防のために、食事制限を行った場合における、乳児のアトピー性皮膚炎の発症率については、充分に信頼できる論文や研究結果が得られていないことが現実です。また、専門家の間でも意見が分かれているという事実もあり、かえって妊婦・授乳婦の方々を混乱させてしまっています。ですが、最初に申し上げた通り、「アレルギー予防のために、妊婦・授乳婦の食事制限を行うことは、適切とは言えない」というのが原則です。ただ、あくまでも原則であって、質問して下さった方に100%当てはまるわけではないことを申し上げておきます。 まだ先の話になりますが、早すぎる離乳食は、食物アレルギーの大きな原因になることを申し上げます。消化機能の未発達なお子様に離乳食を食べさせてしまうと、アレルギーの原因となる物質(IgEといいます)が作られてしまう恐れがあるためです。ですので、離乳食についても、専門家の指導のもとで行うようになさった方がよいでしょう。 最後になりましたが、質問してくださった方、そして生まれたばかりのお子様が、より健康でいられること、そしてお子様が健康に発育していくことをお祈り申し上げます。 |
---|