力尽きました
今まで生きてきてよかったことと言えば、散々辛い思いをさせてしまった二人の
子供が、まっすぐで優しく、思いやりのある子に育ってくれたことだけです。
この二人の子供たちのためだけに、なんとか気持ちをつなぎとめて頑張ってきましたが、
力尽きました。なるほど、もういよいよとなると本当に大切なものでも、どうでもよく
なってしまうものなんですね。
これから申し上げることは、相談ではありません。ただ、受診した精神科の医師の態度
にどうしても納得することができず、精神科医とは、なんのために存在するのかを
考えていただけたらと、この投稿を決意しました。すべて事実です。
不幸などというものは人それぞれで、失恋で立ち直れなくなる人もいれば、事故などで
大切なご家族をいっぺんに亡くされても、頑張って生き抜く人もいます。
だから私がどんな目にあって、どうしてきたかを詳細には記しませんが、とにかくもう
精神的に限界で、それまで、腕を骨折しようが、高熱に冒されようが、一度として
休んだ事のない仕事を、ある日ついに休んでしまいました。心が不安定で
「こんなことではいけない、会社にいかなくちゃ」となんとか気持ちを奮い立たせようとするのですが、
何故か涙が出て止まらず、折れた気持ちをどうすることもできませんでした。
結局、数ヶ月を経て会社を自主退職してしまいました。熱心に慰留して下さった社長の
お気持ちは、本当に感謝すべきものであると分かっているのに、もうその時は煩わしさ
しか感じませんでした。そんな自分にも猛烈な嫌悪感が湧き上がりました。
もう、生活がどうこうというレベルではない、生きていくためにもう自分の力だけでは
どうすることもできないと、精神科の病院を受診することを決めました。
東京の北のはずれにある街の、精神病院としてはそこそこの規模を持った病院です。
年配の医師とのやりとりが始まり、私は自分のことを、少しでもたくさん知ってもらった
方がよかろうと、本当にいろいろと話しました。自分の恥に類することでもできるだけ
詳細に語りました。ところが、ある程度話したところで医師が私の話を遮るように、
「あんたは別に[うつ]でもなんでもない、ただ自分の不幸をだれかに喋りたいだけだ」
「うつの人間は、そんなに喋ったりしない」
「難しく考えすぎだ」
と言いました。特別に薬を処方する必要も認められないと言われ、こんなのは診察のうち
に入らないから、会計も必要ないといわれました。
なるほど、客観的に冷静に見ればそうなのかもしれません。ただ、私は
自分がうつ病だと思っていたわけではありません。弱く折れていった心は、今どんな状態
で、どんな対策が必要なのかを知りたかっただけです。その医師が、専門家の見地で
下した判断なのだとしたら、私は特別治療が必要な状態ではないということでしょう。
それなら、もう私にはこの心をどうすることもできません。もう何も考えなくてすむ
ようになる選択以外には考えられません。
悔しかったはずだけれでも、もうそれもどうでもいいです。ただ、医者だって万能じゃ
ない。人間のすることだから、間違いもある。でもそれが人の「心」に関わることだと、
それは結局その人の命に直結する恐れのあることを、医者は覚悟した上で挑んでいるの
だろうか。このことについて、少しでも多くの方に考えていただけたら幸いです。
ありがとうございました。
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