神経を刺激し運動能力を高める 『PNFストレッチをやってみよう!』脳障害のリハビリのためにアメリカで開発されたトレーニング法
脳障害のリハビリトレーニングPNFとは?PNFストレッチの例
みなさんは、PNFという単語を聞いたことはありますか?PNFは、1940年代にアメリカで脳障害のリハビリのために開発されたトレーニングです。 PNFってどんなもの?PNFとは「proprioceptive neuromuscular facilitating」の略で、日本語に直すと固有受容性神経促進法という意味です。これでは日本語に訳したところで全然意味がわからないですよね。 PNFは冒頭でも書いたように元々は、脳血管障害などで運動が困難になった人の神経をよみがえらせ運動能力を高めるために考え出された方法です。 筋肉に刺激を与えて収縮させた後に、収縮した筋肉をストレッチによって伸展させます。それを繰り返すことで運動系の神経が刺激されるので、神経を末端まで通わせることが可能になり、合わせて運動能力も高めることができます。これでもまだ、わかりにくいかもしれませんから、例を挙げて説明しますね。
例えば、椅子に座ったまま眠っている人がいるとします。
ストレッチの時に、ゆっくり息を吐きながら少しずつ筋肉を伸ばすのは、この伸張反射が起こらないようにするためです。しかし、このPNFの場合は逆にこの伸張反射を利用します。
では、この話を柔軟体操で例えてみましょう。
元々はリハビリとして考案されたPNFですが、スポーツの現場でも取り入れられていますし、日常生活でも無理なく取り入れていくことができます。
では、次にそんなPNFの具体的なストレッチ法の例をご紹介しましょう。 PNFストレッチの例PNFストレッチは、ペアで行うものがほとんどです。受け手とパートナーに分かれてまずは、試してみてください。 ・首のストレッチ受け手は頭を前方に倒します。パートナーは受け手の頭の付け根を、指で前方に押すように力を加えます。受け手は、この力に対抗するようにゆっくりとあごを上げて頭を起こし、可動域いっぱいまで後ろに倒します。これを2回繰り返した後、パートナーは受け手の後頭部に手のひらを軽く当て前に押して、ゆっくり筋肉を伸ばします。 ・肩のストレッチパートナーは受け手の両肘を持ち上げ、そのままわきを伸ばしてあげます。受け手は伸ばす動きに合わせてゆっくり息を吐きましょう。伸びきったところで今度は、同様の動作をしながら受け手はそれに抵抗するように押し返します。リラックスした後に、再び最初の動作に戻りましょう。 ・胸のストレッチ受け手地面に座って、大きく胸を開くように手を頭の後ろで組みます。パートナーは受け手の背後に立ち、両手で受け手のひじを後ろに押します。受け手はこの力に対抗するように、両腕を前に押し、ひじが肩の前で直角になったところで止めましょう。これを2回繰り返したら、再び最初の動作に戻りましょう。 ・腰のストレッチ受け手は、足を伸ばして地面に座ります。パートナーは受け手の背中に片ひざを当てながら、両手で受け手の両ひじを持って上半身をどちらか片側にねじります。受け手は、その動作に抵抗しカラダが正面に向くように押し返しましょう。一旦リラックスした後、再び最初の動作に戻りましょう。
ペアで行うストレッチは、当然と言えば当然ですが相手がいて成り立つものです。くれぐれも力を入れ過ぎて痛みが出ないようにしましょう。
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