身体性表現性障害│身体性表現性障害とは、身体性表現性障害について

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身体性表現性障害

身体性表現性障害とは、身体性表現性障害について

身体表現性障害 somatoform disorder

身体表現性障害とは、痛みや吐き気、痺れなどの自覚的な身体症状があり、日常生活を妨げられているものの、それを説明するような一般の身体疾患、何らかの薬物の影響、他の精神疾患などが認められず、むしろ心理社会的要因によって説明される障害である。DSM-IVは身体化障害と転換性障害、疼痛性障害、心気症、身体醜形障害などを臨床上の便宜から1つに集めている。これらは病因や経過が共通しているわけではない。多数の医療機関を渡り歩く例があり、内科や外科医にとって困難な患者である。患者の強い治療欲求による問題を軽くするためには、患者に対応する医師を1人に集約し、検査などの患者の欲求に部分的に応じながら、信頼関係を結び、身体の症状に精神科的な理由があることを患者が気づくようにし、患者が進んで精神科を受診するようにしていく。身体症状の原因はすべて心理社会的なものであると患者に説明するのことは効果がない。うつ病性障害や物質関連障害、反社会性人格障害などを合併することが多く、合併する精神疾患に対しては抗うつ薬などの精神科的治療が有効である。

※DSMとは精神障害の診断と統計の手引き (Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)の略称。
アメリカ精神医学会の定めた、精神科医が患者の精神医学的問題を診断する際の指針を示したものでⅣはその第4版を指す。

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