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人間の基礎休息活動サイクル 「BRAC」

人間の脳は、1時間半ごとに、活動が活発になったり休んだりをくり返します。
そして、このサイクルのことを「BRAC」と言います。
つまり、自分も気づかないうちに、脳は勝手に1時間半ごとに休んでいるのです。

長時間頭を使う作業をする時は、そのサイクルに合わせて適度に休息をとることが、
スピードや正確さなどにおいて、結果的に効率や成果を上げることになります。

ルネッサンス時代の代表的な芸術家レオナルド・ダ・ヴィンチは、
このサイクルに沿った、ユニークな睡眠法をとっていたとか…。
BRACを意識した自分なりのリズムを作ることが大切です。

【詳細】  人間の基礎休息活動サイクル 「BRAC」
■ 人間の基礎休息活動サイクル「BRAC」って何?

人間の体は、本来、睡眠を夜に1回、昼に1回とりながら、一日を半分に分けたリズムで生活するのに適した構造になっています。そしてその半日のリズムも、さらに1時間半に分けた、細かい区切りの連続から成り立っていると言われています。そして、この1時間半のリズムのことを、「BRAC」(=Basic Rest Acitivity Cycle)と言います。

睡眠時にレム睡眠とノンレム睡眠が1時間半を1つの単位として、交互にやってくることは割と有名な話ですよね。
実は、活動時間も同じ1時間半をリズムで、動いています。

脳もそのリズムで活動しています。そのため、長時間仕事をする場合は、1時間半ごとに休憩をとった方が、実は、効率よくこなすことができるんです。お茶を飲んだり、トイレに行ったり、少しの時間ストレッチをしたり…。1分か2分、できれば5分くらいの休憩を入れた方が効果的です。さぼっている気分になるかもしれませんが、一日を通して見ると、ぶっ通しで長時間仕事をするより、はるかに成果があがり、体の疲労度も少なくてすみます。

■ 長時間の活動に必要な休息のとりかた

「BRAC」の影響によって、長時間仕事や運転をするときは、体は元気でも、脳は1時間半単位で、上がったり下がったりをくり返しています。

例えば運転。長時間高速道路を同じ速度で運転していると、疲れていないようでも、脳は疲労を感じていて、どうしても居眠りしやすい状態に陥ってしまいます。いえ、本人も気づかないうちに、実際に居眠りをしていることがあるのです。居眠りとはいっても、この場合は秒単位の短い眠りで、「マイクロ・スリープ」もしくは「フラッシュ・スリープ」と言われる眠りで、あまりにも短時間なので、本人には、ほとんど眠った自覚がありません。しかし、一瞬でも数秒、脳は確実に眠っているのです。その脳の睡眠によって、精神的にもかなりの回復が期待されます。しかし速度100km近くで走っている場合、その数秒で何百メートルも進むことに…。長時間の運転は無理をせず、1時間半単位で休憩をとるようにしましょう。

長時間にわたって同じ仕事をするときも、こういったことを踏まえて、適度な休息をとる方が、結果的に効率が良いと言えます。デスクワークでは、命を落とすことはないかもしれませんが、運転に置き換えると、たった数秒でも、命を落としかねません。「BRAC」に合わせた適度な休息を取ることが、結局すべてにおいて、よい結果を招くということを覚えておきましょう。

 
■ レオナルド・ダ・ヴィンチの睡眠法

ウソか真かわかりませんが、かの有名なレオナルド・ダ・ヴィンチは、大変ユニークな睡眠の方法をとっていたそうです。私達は一般的に、夜に睡眠をまとめてとりますよね。ところが、彼は15分という短い睡眠を、1日に何度もとっていたそうです。

1時間半くらいの感覚で休息をとる必要性についてお話ししてきましたが、レオナルド・ダ・ヴィンチは、休憩ではなく睡眠をとっていたようです。

脳の活動が鈍くなるたびに、規則的に睡眠をとるわけですから、起きているときに脳は常に活発に活動していることになります。彼の偉大な業績は、そんな睡眠法にも関係していたのかもしれません。

もっとも、現代人には不向きな方法かもしれません。15分の睡眠を、日に何度もとる生活に慣れることも難しいですし、現代社会は、照明や空調、業務時間など、ありとあらゆる面で、自然の周期とはかけ離れていて、「社会時計」は「生物時計」よりも、優位に存在してしまっているのが実情です。生物時計の方が優位な人は、社会生活に適してないとも言われかねない社会です。

レオナルド・ダ・ヴィンチの睡眠法は例外だとしても、個人にあった生活のリズムや、休息のとりかたを見つけることが、カラダにもココロにも、何よりも大切だということですね。もちろんそれが結果的に、社会(会社)にとっても本当は一番良い方法なんですね。

 

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