飲み過ぎは死を招く! 飲酒量に比例して、脳がマヒ?! |
血中のアルコール濃度を基準とし、酔いの症状を段階に分けると…
ほろ酔いで楽しい気分の頃は、理性の脳が低下し、感情や本能の脳が活発に。 単に酔っぱらいではなく、最も大切な脳にまで異常をきたしているのです。 |
【詳細】 飲み過ぎは死を招く! 飲酒量に比例して、脳がマヒ?! |
お酒が大好きなみなさんは、飲み過ぎ、二日酔い、千鳥足、記憶がないなどの経験があるのでは?これらはつまりは「酔っぱらった」状態なわけですが、そんな「酔い」にも脳の状態に分けた段階があります。アルコールで脳が麻痺してる…と考えるとちょっと怖くなりますよね?それが抑止力になればいいのですが…。 今回は、酔いの段階とそれぞれの症状、そのときの脳の状態などについて取り上げてみましょう。目安となるアルコール量は個人差がありますが、一般的な量として捉えてくださいね。 |
■ 爽快期 |
これは、ビンビール1本程度、日本酒1合程度、ウイスキーだとシングルで2杯程度飲んだ状態。酔いの症状としては、少し赤くなったり、陽気で楽しい気分になるなどがあります。 |
■ ほろ酔い期 |
これは、ビンビール1~2本、日本酒1~2合、ウイスキーをシングルで3杯ほど飲んだときの状態。ほろ酔い気分になり、理性がある程度失われ、赤くなった状態から体温が上がり、脈が速くなるのがこのほろ酔い期です。 |
■ 酩酊(メイテイ)初期 |
これは、ビンビール3本、日本酒3合、ウイスキーをダブルで3杯ほど飲んだ状態のこと。このころから、気が大きくなり、大声を出したり、怒りっぽくなったり、立ち上がったときにふらつくなどの症状が表れはじめます。 この、爽快期~酩酊初期の状態のときの脳は、理性をつかさどる部分である大脳新皮質の活動が低下し、本能や感情をつかさどる部分である大脳辺縁系の活動が活発になります。そのため楽しい気分になったり、怒りっぽくなったりと、感情の部分が表に出てくることになります。 |
|
■ 酩酊(メイテイ)期 |
これは、ビンビールを4~6本、日本酒だと4~6合、ウイスキーをダブルで5杯ほど飲んだ状態のこと。酩酊初期から、さらに進んで、歩こうとしても千鳥足になったり、吐き気や嘔吐が起こり、脈だけでなく呼吸も速くなり、同じことを何度もしゃべったりするようになります。 このときの脳の状態はと言うと、すでに小脳までマヒが広がっています。小脳がマヒ状態になったため、運動能力もおぼつかなくなり、千鳥足などの状態が起こるようになります。 |
■ 泥酔期 |
これは、ビンビール7~10本、日本酒なら7合~1升、ウイスキーをボトルで1本ほど空けた状態のこと。この本数や量を見ただけでも、そろそろ危険な匂いがしてきますよね。このころになると、立つこともままならなくなり、意識もはっきりせず、話している言葉もめちゃくちゃになってきます。 このときの脳は、小脳だけでなく、記憶をつかさどる海馬までもがマヒしています。翌日起きたときに記憶がとんでいるのは、海馬がマヒしているからです。海馬がマヒすると、そのときにやっていること、その場で起こっていることを記憶できなくなるため、翌日飲んでいたときの記憶がなくなったように思うのです。正確に言うと、記憶がなくなったのではなく、記憶することができなくなっているのですね。このことを、ブラックアウト、もしくはアルコール性記憶障害といいます。この現象が起こるようになると、あなたもアルコール依存症を疑ってみた方がよさそうです。 |
■ 昏睡期 |
これは、ビンビールで10本以上、日本酒なら1升以上、ウイスキーもボトル1本以上を空けてしまった状態のとき。ここまで飲んだ経験がたとえあったとしても、もうその記憶はないかもしれませんね。ここまで飲んでしまうと、ゆり動かしても起きず、呼吸は酩酊期とは逆にゆっくりと深くなり、最悪の場合は死亡してしまうこともありえます。 この状態になるまで飲むと、脳のマヒは、脳全体にまで広がってきます。それによって、延ずいと呼ばれる呼吸をつかさどる箇所も危険な状態になり、やがて呼吸がなくなって、死にいたるわけです。 |
■ 最後に… |
これを読んでいただくとわかるように、だいたい楽しく飲めるのは、酩酊初期くらいまでかと思います。健康にプラスの効果を発揮する飲み方でいうと、ほろ酔い期くらいの量です。もちろん、体質など個人差はありますし、この飲酒量は、血中のアルコール濃度を参考に出した数値です。しかし、飲みすぎてしまいそうになった場合は、どの程度飲めば危険な状態になるのか、酩酊初期くらいの量を飲んだときに、このコラムを思い出してみてくださいね。 |