脂肪はカラダの味方? カラダに良い油・良くない油 |
外食でつい気になってしまう油の摂りすぎ。 動物性脂肪の飽和脂肪酸は摂り過ぎると動脈硬化の原因になりますが、 だからと言って、偏った油ばかり摂るのではなく、油もバランスが大事。 |
【詳細】 脂肪はカラダの味方? ■ カラダに良い油・良くない油 |
外食の多い生活で気になるのは脂肪。外食ではついつい油分を摂り過ぎてしまいがちですよね。もちろん脂肪の取りすぎは肥満や生活習慣病を引き起こす原因にもなりますが、一方で脂肪は三大栄養素のひとつであり、カラダが活発に活動するためにも、細胞膜を作るためにも、ホルモンの元としても欠かせない成分でもあるのです。 脂肪にも種類があり、カラダに良いものと良くないものがあります。カラダにとって有効な油や、生活習慣病の原因になる動脈硬化を予防する働きのものもあるのです。 今回は、カラダによい脂肪を効率よく摂るために、カラダに良い油、良くない油についてご紹介しましょう。 |
■ 脂肪の種類 |
脂肪酸は次のように分類されます。 1.飽和脂肪酸…バターやラードなどの動物性脂肪に多く含まれるもの 2.不飽和脂肪酸…植物油や魚油に多く含まれるもの (2)多価不飽和脂肪酸…植物油や魚油などに含まれるα-リノレン酸やリノール酸など 飽和脂肪酸は摂り過ぎると、血液中のコレステロールが増え、動脈硬化が起こり、それが進むと狭心症や心筋梗塞になってしまいます。これは摂り過ぎるとカラダに良くない油ですね。 n-3系脂肪酸には、コレステロールを下げ、血栓ができないようにする作用もあるα-リノレン酸が含まれてます。シソ油やエゴマ油、魚の油で有名な、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)も、このn-3系脂肪酸に該当します。(EPAについての詳しいお話はこちら)これはカラダに良い油です。 n-6系脂肪酸はリノール酸が有名です。ゴマ、ピーナッツ、アーモンド、高野豆腐などに多く含まれています。一時はコレステロールを減らす作用が注目され、カラダにいい油として注目を集めましたが、最近になって、摂り過ぎるとガンやアレルギー、心臓病や老化を進める原因になることがわかってきました。また、摂り過ぎると、α-リノレン酸の有効な作用を殺してしまうことにもなります。つまり適量であればカラダに良い効果が期待できても、やはり摂り過ぎるとマイナスに働いてしまうのです。 |
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■ 脂肪を上手に摂るために |
脂肪の種類によってとりあえず単純に「良い油」「良くない油」と説明しましたが、ここで注意です。良い油だからといっていくらでも摂って良いわけではなく、また良くない油だからと言って、まったく摂らない方が良いわけでもありません。やはりカラダのエネルギー源としては、どの脂肪も適量が必要なものです。n-3系脂肪酸だけを摂って、他の脂肪は全く摂らないのはやはりよくありません。重要なのはバランスです。では、どんなバランスでこれらを摂ればよいのでしょうか。 まず、飽和脂肪酸である動物性脂肪は、肉でいうと1日100g以内が適当です。これくらいなら摂り過ぎになることはありません。 肉と魚を毎日交互に食べるとちょうどバランスの良い油の摂り方ができると思います。しかし、調理に油が使われていることも多いので、今食べているメニューがどんな調理法なのか、例えばパスタで言うと、バターベースなのか、オリーブオイルを使った魚介類のものなのかなどに注目してみるとよいでしょう。 単純に油分は全部ダメとか、エゴマ油ならいくらとっても良いとか、カラダはそんなに単純なものではありません。生命のカラダは非常に神秘的に素晴らしいバランスで成り立っています。だからこそ食生活もできるだけ自然なものを、自然に、バランス良く食べることが大切なのですね。目に見える環境だけでなく、体内環境も、自然と一体化していけることがベストです。 |