maruomaruさん
最新の記録ノート
|
2010年 |
|
|
3月 |
|
日 |
月 |
火 |
水 |
木 |
金 |
土 |
|
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
12 |
13 |
14 |
15 |
16 |
17 |
18 |
19 |
20 |
21 |
22 |
23 |
24 |
25 |
26 |
27 |
28 |
29 |
30 |
31 |
|
|
|
月別に見る
タグ別に見る
|
10年03月11日(木)
自殺と貧困から見えてくる日本 |
< 初の夜回り
| ああ、痛恨の失念! >
|
昨日、神保町で開催されたシンポジウムに参加してきました。 湯浅誠さん率いる反貧困ネットワークや、内閣府参与を務める「自殺対策支援センター ライフリンク」の清水康之さん他自殺や貧困に関わるNPO法人らの共催です。 会場は800席全て満室でした。立ち見も出る有様にメディアや人々の関心の強さが伺えます。
自殺者の7~8割は生活困窮者と言われています。 今でも一日に平均90人の人が命を落とし、そのペースは過去12年間変わらないどころか 悪くなっていく一方。 一年の自殺者数は、今では誰もが知る数字になった3万人以上。 その人数とは、東京マラソンの参加者に匹敵します。 三万人という人数は、広い道路を埋め尽くしてひしめき合いながら走っても、 その状態が延々20分続くという人数です。それだけの人数が一年に自ら命を落とす。 その一人一人に、私やあなたと同じ、かけがえのない人生があったのです。 無邪気な子供時代があり、家族があり、将来の希望に燃えた時期があり、初恋の記憶があり、 悩んだり喜んだりした人生があったはず。
日本では、ある時期から強者至上主義が台頭しはじめ、それが世の常識みたいになり、 こうして死んでいく人間は「まぁ、弱いよね」とか「個人の問題だからなぁ」で片付けられていきました。
行政も、少なくとも政権交代する前の政権は貧困や自殺を「負担」と思ってきた傾向にあり、 だから増加の一途をたどるこれらの深刻な問題に対して非常に消極的でした。 しかも世論は自殺者や貧困者に対して同情的でもない。ならば何もわざわざ対策しなくてもいいよねーんと ポスターとかを形だけ作って、根っこの問題は放置。 そして「自己責任」なんて言葉が世の中にはびこる。信じ難いことに行政でも使われる。 湯浅さんの言葉が印象的でした。 「自己責任論は人々の余裕の無さをエサに増幅する」 全くその通りだと思います。
さて、シンポジウムでは自殺、貧困問題の解決に奔走する人々が何人も登場してきました。 過去、数え切れないほどの自殺者にお経をあげた僧侶中下大樹さん、自殺遺児達、 反貧困ネットワークの湯浅誠さん、かつてはNHK勤務で自殺関連の番組を作ったのをきっかけに NPOライフリンクを立ち上げ、現在は内閣府参与の清水康之さん、精神科医の香山リカさん、 富士樹海に看板を立て、人々を自殺から引き戻す努力を重ねてきたNPO代表、その人に救われ 今ではカウンセラーの側に立つ元自殺志願者などなど。 どの方々の体験談をお聞きしていても、出口の見えない日本という国の現実を突きつけられるようでした。
経済危機があるたびに自殺者が増える国は世界でも日本だけ。 他の国では経済危機があっても人は自殺に追い込まれません。生きていけるシステムがあるからです。 日本の「一度落ちたらもう這い上がれない」生活保障の問題、そして無関心な社会、このダブルパンチに 人は追い詰められていきます。 もちろん原因はそれだけではありませんが、でもかなりのパーセンテージは上の二点を解消すれば 解決する問題だと確信しました。
生活保障は行政が何とかする問題です。 全く機能しなかったセーフティネットを編みなおす作業をするのは政府の仕事。 今回のシンポジウムには福島みずほさんが参加する予定になっていました。 ところがサプライズゲストとして、いきなりオープニングに鳩山首相が現れ、途中で長妻厚生大臣も 駆けつけました。 年の暮れの年末派遣村での鳩山さんの行動から見ても、新政権は貧困、自殺問題を何とか しなくてはならないと真剣に思っています。 あとは世論ですね。私達一人一人が試されています。
帰途に向かう地下鉄の電光掲示板に、某路線が人身事故により運転停止との テロップが流れていました。 今日も、今この瞬間にも人が自ら命を落とす。そんな日本に私達は住んでいます。
追伸: 日弁連新会長に任命された宇都宮健児さんも駆けつけ、「会長になってから一番最初の仕事がこの 仕事と思うと感慨深い」と、これまで市民を多重債務や詐欺から救い続けてきた弁護士らしい言葉でした。
|
|
【記録グラフ】 |
|
コメントを書く
|
ページTOPへ戻る↑ |
|
|