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10年09月07日(火)
腹痛2 |
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< 腹痛
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とりあえず、痛み止めの点滴を受けつつ入院したのだが、原因がわからないというのはなんとも不安であった。 痛み止めの効果があったので、激痛に七転八倒していたことが嘘のように平穏な朝を迎えた。 と言っても、多少の痛みは残っていたのだが。 翌朝になってから、その痛みの場所は右脇腹のほうへと移っていった。 医師にそのことを訴えると、再び触診。 右脇腹をグッと押し込む。 鈍い痛みが脇腹に走る。 その直後に医師の手は突如離され、脇腹に強い痛みが走った。 医師は、 「こうすると痛みますか?」 と言いながら、何度も押し込んでは急に離す動作を繰り返す。 何度もやらなくても十分に痛い。 そのことを訴えた。 すると、医師は、 「こりゃ盲腸だな!」 昨日、CTやらレントゲンやら撮っていたのに気がつかなかったようだ。 医師が改めてCT,レントゲンの画像を見ると、そこにはハッキリと盲腸が写しだされていたようだ。 しかも、医師曰く、 「こりゃカナリデカイ!」 直径1.3cm、長さ7~8cmと通常の盲腸よりかなり大きい盲腸(虫垂)が映し出されていたのだ! 「これはすぐにでも切ってしまわないと。」 と、医師は本日夕方より手術を行うと宣言した。 後に手術の説明でオレも妻も画像を見たのだが、素人目に見てもでかい盲腸が克明に映し出されていた。 これは確かに薬で散らすことなどやっている場合ではなさそうだ。 観念せねばなるまい。 医師は、 「通常よりカナリ大きいので、局所麻酔ではなく全身麻酔による手術となります。」と言った。 そのほうがオレも良いと思った。 30年ほど前、オレは痔の手術を受けたことがあるのだが、その際腰部を中心とする局所麻酔で、意識がハッキリとある中での手術をしたことがある。 意識のハッキリしている中で局所麻酔をしているので痛みはもちろんないのだが、体を切り刻まれている時はやはり不安を感じていた。 そんな思いをするなら、よほど全身麻酔で何もわからないまま切り取ってもらったほうが、よっぽど良い。 そんな思いを感じつつ、手術の時を待った。 午後になって身体をきれいにするため、シャワーを浴びる。 点滴をさしたままのシャワーは実にやりにくい。 その後、下半身の手術にはつきものの剃毛。 痔の手術の時は、女性看護師2人の手によってつるつるに剃られてしまったのだが、 今回は一人の女性看護師の手により、臍の下辺りから3cm程度を剃っただけだった。(左足太ももの外側も輸血用に剃った)
午後5時30分。手術を開始する。
その前に手術用の寝巻きに着替え、パンツの代わりに褌をつけた。 オレはベッドに乗ったまま手術室へ運ばれていった。 テレビドラマなどでよく見る手術室の光景が目に入る。 すぐに呼吸用のマスクをつけられ、 「これから麻酔をかけます。すぐに効いてくるので眠ってしまいます。」 と麻酔の医師に言われるや否や急に意識が遠のいていき....。
気がつくと医師の声がする。 「無事に手術は終わりましたよ。」 全身麻酔のおかげで、手術中のことは何一つ覚えていない。 「ああ、終わったのか...。」 と、頭の中でつぶやく。
しかし!直後に息苦しさを感じた! 大きく息を吐き出したまでは良かったのだが、吸い込むことができない! 息が吸えないのだ! 医師に向かい、 「い、いきが で き な い 」 と、一言訴えるのがやっと。 吐き出す空気はもう肺の中にはほとんどないような感じ。 だんだん苦しくなっていく。 オレの周りには医師や看護師の顔が輪になってオレを覗き込んでいるのだが、 息が吸えないオレは苦しくて涙がにじみ、次第に医師や看護師の顔が涙で歪んでくるのがわかる。 そしてあまりの苦しさに手足が痙攣を始めたのだ。
「オレは盲腸の手術で死ぬのか!?」 そんな思いも頭に浮かんでくる。 しかし、一向に息が吸える感じがしない。 いよいよ目の前が暗くなりかけた時、いままで口で大きく息を吸おうとしている自分に気がついた。 「口でだめなら鼻!?」 瞬時にそう思い、鼻で息を吸ってみた。 すると、少しずつではあるが息が吸えるではないか! ゆっくりと少しずつ息を吸ってみた。 息苦しさが徐々になくなっていく。 暗くなりかけた目の前も明るさを増し、歪んだ医師たちの顔も元に戻る。 痙攣は治まり、死への恐怖もなくなっていた。
医師たちはあわてる様子を微塵も見せず、にこやかな顔を俺に向けていた。 オレはそれどころではなかったと言うのに。 自分なりの解釈で、横隔膜がまだ麻酔から覚めていないのに意識が先に目覚めてしまったために呼吸困難になったのではないかと思う。 医師はそのことは何も語らなかったが。 もしかしたら、麻酔から覚醒させる手順を誤ったのかもしれない。 とにもかくにも無事?に手術を終えたオレはその日はICUの中で一晩を過ごした。
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