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16年09月15日(木)
重松清「リビング」読了 |
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重松清が婦人雑誌に連載していた12の短編集です。この本では、「婦人雑誌の特集と連動する形で小説を書く」、 というシゲマツ自身が設定したルールが生きていて、重松清的だけれどもちょっと新鮮で、かなり面白く仕上がった 作品だと思います。 また、12の短編のうち4つは『となりの花園』春・夏・秋・冬と、ニュータウンでの子どもを持たない DINKSの夫婦&お隣のしあわせ計画家族の1年を追う連続短編になっていますが、 きっちり婦人誌の春夏秋冬に合わせて書いたようで、文庫本でも他の短編にはさまっていて、 一冊の本の中で時間軸があって非常に面白いマジックだと思いました。 なんとなく登場人物の心の変化を追体験している感じで、他の短編を読んでいる時も先が気になって仕方がありません。 個人的には夫や子どもを置いて偽名で同窓会一泊旅行に出る『一泊ふつつか』が好きでした。ちょっと孤独な心情や 行動の描写がとても上手に描いてあって本当におもしろい。あぁ、寂しい時ってこんなアヤシイ行動とるなぁ、と。 いつもながらどうしてこんなさりげない動きを描写できるんだろう、と。 また、城址公園を訪れた何人もの人々を入れ替わり立ち代り描いてゆく『いらかの波』、おばあちゃん同士の 奇妙な友情を扱った『千代に八千代に』、離婚しかかった夫婦が苦労した母を思う『ミナナミナナヤミ』、 タイトルどおりちょっと青春な『YAZAWA』やいかにも怪しい『分家レボリューション』、(私も経験あって共感できたの ですが)両親が離婚して明日から苗字が変わるぞ、と12歳の少年がけじめ付けイベントを決行する 『モッちん最後の一日』など、ひねりのきいたおもしろい作品ばかりでした。 全体として、「となりの花園」のお隣さんの反抗期の中学生の描写など、ちょっと生きていないなぁ、と思う ところもありますが、いつものシゲマツよりも生き生きした、「面白い」小説だと思います。
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