肝臓健康度の解説コラム

トップページ > 健康診断 > 肝臓健康度チェック > 肝臓健康度 > 肝臓健康度のコラム

「肝臓健康度」解説コラム

 

◆はじめに

肝臓は沈黙の臓器と言われるほど、異常が発生していても症状に気づくことがないものです。肝臓移植などでも知られている通り、自己再生能力が非常に強いため、放っておいてもそれなりに機能してくれるからです。
しかし、いつまでもそんな頑張る肝臓に甘えていたら手遅れになってしまいます。肝臓が病気に冒されると完治するまでに10年以上かかるとも言われており、解毒作用を持つ肝臓が弱ることでカラダ全身に悪影響をもたらしてしまいます。しかし、きちんと対策しておけば少しくらい機能が低下していても、すぐに回復してくれる有り難い臓器なのです。

肝臓健康度チェックで結果が悪かった人は、必ず以下の対策を実行するようにしましょう。特にお酒をよく飲む人は要注意です。

 その1) 朝食は必ず食べる!
 その2) 食事に必ず大豆食品を加える
 その3)お酒はウィスキーか焼酎をお湯割りにする

そのほか、肝臓の健康を守るための知識がいっぱいの対策コラムを必ず読んで、正しい知識と正しい対策方法をしっかり身につけてくださいね。

◆あなたの肝臓、大丈夫?

この頃、妙に疲れやすくなった…
めっきりアルコールに弱くなった…
物忘れがひどくなった…
最近太ってきた…

これらの原因は肝臓にあるかも知れません!
肝臓は『沈黙の臓器』とも言われるほど、自覚症状がなく、痛みを感じない臓器です。つまり、知らず知らずのうちに肝臓が病気に冒されていても気づかないまま過ごしている可能性が大きいのです。

そして、健康診断ではコレステロールに次いで、肝臓の異常が見つかるケースが多いのです。あなたは肝機能検査を定期的に受けていますか?肝機能数値に問題はありませんか?
肝臓の天敵はアルコール。お酒をよく飲む人は肝臓の健康が気になりますよね。
もちろん、アルコール量が多い人は肝臓にもたっぷり負担がかかっているため、肝臓健康度は非常に心配です。でも、アルコールを飲まないからと言って、肝臓は健康だと思いこんでいてはいけません。アルコール以外でも、肝臓を悪くする要因はたくさんあるのです。

カラダがだるい、疲れやすいなどの倦怠感がある人は、栄養バランスが乱れていることが原因と考えられます。
また食欲不振、消化不良、脂ものを受け付けないなどの症状がある人は、脂肪分を消化・吸収する働きがある胆汁がうまく分泌されていないことに原因があると考えられます。
また物忘れが激しい、集中力がない、カラダがかゆいなどの症状がある人は、肝臓がもつ解毒作用自体が低下してしまっていることに原因があると考えられます。
詳しい対策については後述をじっくり読んでくださいね。

◆肝臓について知ろう

肝臓は肋骨に囲まれて右上腹部にあります。臓器の中で一番大きく、体重の1/50もの重さがあります。肝臓は移植などでも知られているように、非常に自己再生能力が高く、その80%を切り取っても4ヶ月後には元通りに回復するほどです。

肝臓の働きは大きく分けて以下の3つです。

1.代謝

食べたものは胃や腸で消化、吸収し、肝臓に運び込まれます。肝臓では運び込まれたタンパク質や糖分、脂肪などの栄養素をさらにカラダに重要な役割を果たすものへと作り替えて、再び全身へ送り出します。その時に余った栄養素は、肝臓の中に脂肪として蓄えられ、エネルギーが不足した時に再利用するようになっています。

2.解毒作用

アルコールや薬剤、アンモニアなどの有害物質を酸化、還元などをして無害なものに変え、尿や胆汁の中に排出するという解毒作用を持っています。

3.胆汁の分泌

脂肪分を消化・吸収する働きがある胆汁を作り出します。胆汁は肝臓で処理したさまざまな物質を材料にして生成され、胆のうに蓄えられます。

◆肝臓病の原因と種類

肝臓病の原因には、薬剤性、先天性などがありますが、主に注意しなければならないのがウィルス性、アルコール性の2つで、これが肝臓病の原因の大半を占めています。

1.ウィルス性の肝障害

A型、B型、C型などのウィルス性肝炎が代表的な病気。この肝炎が急激に起こる急性肝炎や、急性肝炎が進行した劇症肝炎、肝炎がいつまでも続く慢性肝炎、肝硬変、肝ガンなどがあります。
ウィルスによる肝臓病が最も多く、肝臓病の中でももっとも厄介な病気です。ウィルス性の肝臓病にかかると、必ず医師の治療が必要となり、場合によっては手術を受ける必要もあります。


2.アルコール性の肝障害

次に多いのがアルコールの飲み過ぎや不規則な生活によるもの。これは脂肪肝になる代表例とも言えます。そのほかにもアルコール性肝炎やアルコール性肝繊維症(肝硬変の前段階)、アルコール性肝硬変、肝ガンなどがあります。しかし、こちらは特に自覚症状が出にくいため、気づいた時には肝硬変や肝炎など、大きな病気へと発展してしまっており、手遅れになっているケースも少なくありません。
あらわれる症状としては皮膚が黄色くなる黄疸、赤い斑点ができるクモ状血管種、お腹が以上に膨らむ腹水などがあります。
現在、アルコール性の肝障害を抱えている人は国内で300万人もいるとされています。


肝臓病は完全に元に戻るまでに10年以上かかるとも言われているため、とにもかくにも日頃から用心し、さらに早期発見することが大切です。
以下に代表的な肝臓病の特徴を記しておきます。

○ウィルス性肝炎

肝炎にはA型、B型、C型、D型、E型があり、日本ではB型とC型が多い。B型は血液やセックスから感染し、C型は問題ともなった輸血や注射からうつるものがほとんど。
6ヶ月以上肝炎が続いている状態のことを慢性肝炎、今まで正常に機能していたのに、肝炎ウイルスにより、たくさんの肝細胞が破壊される病気のことを急性肝炎という。急性肝炎は感染してから数週間〜数ヶ月で発病する。
症状としては、初期のころは発熱や吐気、だるさ、など風邪に似た症状が出て、3〜4日すると濃い色の尿や、皮膚や目に黄疸などの症状が見られる。
急性肝炎でもっとも恐ろしいのは劇症肝炎や慢性肝炎になること。劇症肝炎になる確率は急性肝炎の1%程度だが、一度劇症化すると死亡率は70%以上とも言われている。


○肝硬変

慢性肝炎が進行し、肝臓の炎症が何度も繰り返されているうちに、肝臓が硬くなって萎縮してしまい、代謝や解毒など肝臓本来の働きが満足にできなくなってしまう病気のこと。慢性肝炎の約20%が肝硬変になるとも言われる。
肝硬変の3大症状は、腹水、食道静脈瘤、精神・神経症状、3大死因は、食道静脈瘤破裂、肝不全、肝細胞ガン。


○肝ガン

肝ガン特有の症状というものが少なく、食欲不振、全身倦怠感、腹部膨満感、便通異常(便秘・下痢)、尿の濃染、黄疸、吐血、下血、腹痛、貧血症状(めまい・冷や汗・脱力感・頻脈)など、肝炎や肝硬変などによる肝臓障害が主な症状。また、ガンが大きくなると、みぞおちにしこりを感じるようになる。
それ以外にも、転移性のガンの場合がありますが、ほとんどは、肝炎→肝硬変とステップを踏んで、肝臓ガンになってしまう。

◆急増しているフォアグラ現象=“脂肪肝”

肝臓の病気で代表的なものと言えば、肝ガン、肝硬変、肝炎などですが、最近急増しているのが、脂肪肝です。世界三大珍味のひとつ、フォアグラはガチョウの肝臓を通常の50倍も強制的に脂肪を付けさせた脂肪肝です。このフォアグラ現象が、若年層も含め、人間の肝臓にも忍び寄っているのです。今や日本国内では5人に1人は脂肪肝だと言われるほど急増しているのです。
脂肪肝の原因の第1位はやはりアルコールですが、お酒を飲まない人でも、太っていない人でも、脂肪肝になっている危険性があります。

脂肪肝はその名の通り、肝臓に脂肪が溜まる病気です。食べ過ぎや飲み過ぎなどで肝臓が働きっぱなしの状態になると、肝臓の機能が低下し、どんどん脂肪を溜め込んでしまいます。この結果が脂肪肝です。この脂肪肝が原因となって肝臓機能にさまざまな障害をもたらします。さらに、溜まった脂肪が血液中にも流れだし、ドロドロ血となり、やがて血栓となって動脈硬化を引き起こしてしまいます。現に脂肪肝の人は動脈硬化や心筋梗塞などの恐ろしい病気になる確率が2倍も高くなると言われています。
脂肪肝は、肝硬変や肝臓ガンなどの肝臓の病気だけでなく、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病など、肝臓以外にも、死に至るほどの病気に発展する可能性を秘めているのです。

脂肪肝の初期症状は、全身の倦怠感や食欲不振、記憶力や集中力の低下など、疲労による症状と変わりません。そのため、単に疲れが溜まっているだけだと放置してしまうケースが少なくないのです。

脂肪肝の主な原因はアルコールの他に、糖分や脂肪分の過剰摂取と運動不足、そして過度のダイエットです。特に果物に含まれている果糖や栄養ドリンクなどに含まれている糖分は肝臓で脂肪に変わりやすいのです。また、過度のダイエットで飢餓状態が続くと、肝臓に脂肪が集中してしまい、肝臓が脂肪を処理しきれずにそのまま溜まり、脂肪肝となってしまうのです。
これが太っていない人でも、アルコールを飲まない人でも脂肪肝になる可能性が十分にあると言った理由です。

◆アルコールの被害と適量

アルコールは、適量をたしなむ程度であれば“百薬の長”とも言われるように、全身の血行を促進し、心身をリラックスさせる効果があります。しかしながら、適量を超えて飲むと肝臓を疲労させ、さまざまな肝障害を引き起こす原因となります。

肝臓はアルコールに含まれる毒素であるアセトアルデヒドを代謝し、最終的に水と炭酸ガスに分解する働きがあります。このアセトアルデヒドを分解しきれず血液中に流れ出すと酔っぱらいます。アルコールを摂取している間は、ずっと肝臓はアセトアルデヒドを分解し続けている状態となり、これが過度になると肝臓に大きな負担がかかってしまうのです。

大量のアルコールを飲み続けていると、まず「脂肪肝」が起こります。次に、食欲不振や吐き気、黄疸などを伴う「アルコール性肝炎」になります。さらに悪化すると「アルコール性肝繊維症」や「肝硬変」を引き起こしてしまいます。最悪の場合、肝ガンとなって死に至るケースも少なくありません。
肝臓は再生能力に優れているため、異常に気づき、すぐに対処すればすぐに正常に戻すことができる臓器です。次々と悪化する前にアルコールを適量まで抑え、肝臓への負担を減らしてやることが何よりも大切です。

肝臓は、一般的には体重1キロあたり1時間に0.1〜0.2gのアルコールを分解する能力があります。体重が60kgの人の場合、分解できるアルコール量は 6〜12g。日本酒1合のアルコール量は約22g。寝ている時間も含めて4〜5時間であれば肝臓への負担はないとされているため、1日の適量は日本酒にして1合程度が望ましいと言えます。
各種の統計データでも、1日1合程度であれば、健康効果が見られますが、3合を超えるとマイナス要素の方が多くなるという結果が出ています。

○1日のアルコールの適量

日本酒 … 1合(180ml)
ビール … 大瓶1本
ワイン … 4分の1(200ml)
ウイスキー … ダブル1杯(60ml)
焼酎 … 0.6合(110ml)

◆肝臓の健康を守る対策あれこれ

肝臓を健康に保つには、
 1.何と言ってもアルコールの適量を守ること
 2.良質なタンパク質と、ビタミン(特にB群とE)、ミネラルをしっかり摂ること
 3.糖分や脂肪分を摂りすぎないこと
 4.エネルギー(カロリー)を摂りすぎないこと
 5.規則正しい食生活を心がけること
 6.適度な運動をすること
この6つが必須条件です。
では、具体的な対策はどうすればいいのでしょう?

◆対策その1:食べ物で肝臓を守る!

1.肝臓は肝臓(レバー)でカバー

肝臓を守るためには、何と言ってもレバーが一番!レバーには良質なタンパク質をたっぷり含み、ミネラルやビタミンB群などを効率よく摂取することができるため、肝臓の健康を守るためには最適です。

2.大豆食品で良質タンパク質を

必須アミノ酸を豊富に含む良質のタンパク質をたくさん摂ることで肝機能を高めることができます。お酒を飲む時は特に肉(豚肉)や魚、乳製品と一緒に摂るようにしましょう。また毎日の食事に豆腐や納豆など、畑の肉とも言われる大豆食品を加えるだけで、肝臓はグッと回復します。
この動物性タンパク質と植物性タンパク質の両方をバランス良く摂ることも大切です。

3.炭水化物も適度に摂る

炭水化物は、生活するためのエネルギー源として欠かせないものです。
肝臓病になると、糖質の代謝異常によって、グリコーゲンが減少し、それを補うためにアミノ酸からの糖新生が増え筋肉が減少してしまいます。ですから、十分にタンパク質を摂ると同時に、糖質になる炭水化物もしっかり確保しなければいけません。ごはんなら、毎食軽く一杯くらいが適量です。

3.アントシアニンで肝臓障害を抑える

ブルーベリーや紫イモ、赤ワインなどに含まれるポリフェノールの一種、アントシアニン(紫色素)には肝臓障害を抑える働きがあります。これはアントシアニンの抗酸化作用が肝臓の有害物質を抑制してくれるからです。お酒を飲むにしても、適量の赤ワインなら肝臓にさらに優しいということです。
ゴマにも同じような抗酸化作用をもつ成分が含まれているため、ゴマを積極的に食べるのもオススメです。


◆対策その2:朝食は必ず食べる!

寝ている間にもエネルギーは消費されています。そのエネルギー源は肝臓に蓄えられたグリコーゲンから供給されているため、朝は肝臓のグリコーゲンはかなり減少している状態にあります。
朝食を食べないと、消費されたエネルギーを補えないだけでなく、肝臓自身が働くためのグリコーゲンまでをも使い果たしている状態となり、肝臓への負担が大きくなってしまいます。そのため、疲労した肝臓は回復することができず、ますます弱ってしまうのです。
朝食は1日の元気を作り出す源でもあり、肝臓のためにもなるので必ず食べるようにしましょう。特にアルコールをたくさん飲んだ次の日は、余計のこと肝臓は疲労しているため、タンパク質やビタミンを多く含む朝食をしっかり摂るようにしましょう。


◆対策その3:夕食は寝る3時間前までに済ませる!

食べたものが肝臓に届くまでに3時間近くかかります。寝る前に食事をすると、なおのこと肝臓に脂肪が溜まりやすくなり、脂肪肝になってしまいます。
寝る前に食べるのは肥満のためにも避けましょう。


◆対策その4:ぬるま湯で半身浴!

ストレスが溜まっていたり脂肪肝になると、肝臓を流れる血液量が減ってしまいます。そのため、肝臓への酸素供給量が減り、肝機能全体を低下させる原因となってしまいます。
肝臓の血流を高め、代謝を上げることで、肝臓はより活発に活動できるようになり、さらに肝臓に付いた脂肪も落とすことができます。
それには半身浴が最適!半身浴は心臓に負担をかけることなく全身の血行を促進してくれます。また38〜39度くらいのぬるま湯に長時間じっくり浸かることでカラダを芯から温め、全身をリラックスさせてくれる効果もあります。これが肝機能向上にも良いのです。


◆対策その5:アルコールを控えるには薄めて飲む

アルコールは適量まで控えることが重要ですが、どうしても飲み過ぎてしまう人にオススメなのが、ウィスキーや焼酎を薄目にして飲むこと。物足りない感はあるかも知れませんが、飲んでいる満足感は得られます。
オススメなのがお湯割りにすること。水割りだと薄いためにゴクゴク飲んでしまって結果的に多量のアルコールを摂取してしまいますが、ホットだとゴクゴク飲むことはできないため、アルコール量を抑えることができます。
これから冬に向けて、お湯割りがおいしい季節ですから、ぜひ薄目のお湯割りにするようにしてください。

◆オマケ:血液検査から見る肝臓障害

血液検査を受けたことがある人は、その数値に着目してみましょう。肝機能に関係があるのは主に以下の数値です。正常値を超えている人は、必ず医師の診察を受けるようにしてくださいね。

○GOT(AST)

Glutamic-oxaloacetic transaminase(グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ)。最近は「AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)」と呼ばれることもある。トランスアミナーゼというアミノ酸の合成に必要な酵素で、主に心筋、肝臓、骨格筋、腎臓などに多く含まれる。
正常値は5〜35KU/dl。高値の場合、肝炎、肝硬変、肝ガン、心筋梗塞などの疑いがある。

○GPT(ALT)

Glutamic pyruvic transaminase(グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ)。最近は「ALT(アラニン・アミノトランスフェラーゼ)」と呼ばれることもある。GOTと同じくトランスアミナーゼというアミノ酸の合成に必要な酵素。肝臓に多く含まれる。
正常値は5〜25KU/dl。高値の場合、肝炎、肝硬変、肝ガン、心筋梗塞などの疑いがある。

○γ-GTP

GOT、GPTと同じくタンパク質分解酵素のひとつ。肝細胞が破壊された時に他の酵素よりも早く血中に出てくる酵素であるため、特にアルコール性肝障害の指標として有効とされている。
正常値は40以下。高値の場合、アルコールによる肝臓障害の疑いがある。
この診断チェックにもトライ! - 関連診断-
▼ 診断をする
メンタル診断チェック
ボディ診断チェック
ダイエット診断
ビューティー診断
メディカル診断
copyright all right reserved intelligence technology inc,
掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます。