うつ病危険度の解説コラム

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「うつ病危険度」解説コラム

 

◆はじめに

うつ病は「心の風邪」と言われるほど急増している病気です。今や10人に1人がうつ病患者、8割の人が一生のうちに1回はうつ病になるとも言われるほど。将来的にはガンに次ぐ病気になるとも予想されているのです。
それなのに、うつ病に対する間違った認識が蔓延しているのも事実。うつ病は精神異常者だとか、怠け病だとか、無気力だからだといった認識があるために、自分がうつ病だと自覚するのを無意識に拒否したり、自分がかかるわけがないと思っている人が多いのです。そして、周りの人もうつ病に対する正しい知識がないために、間違った対応をして余計に症状を悪化させたり、正しい治療を受ける機会を失ってしまったりするのです。

誰でも風邪をひくことがあるように、誰でもうつ病にかかることがあるのです。今や誰にとってもストレスの多い社会です。うつ病は心の風邪であるということを認識し、正しい知識を持つことから始めましょう。

◆うつ病とは?

憂鬱(ゆううつ)な気分になることは誰にでもしょっちゅうありますよね。でもこれは単なる「憂鬱」、うつ状態と言われますが、うつ病ではないと考えられています。一時的な憂鬱は友達とおしゃべりをしたり、スポーツをしたり、お酒を飲んだり…自分なりの気分転換をすることで解消され、長くても1週間程度しか続かないものですが、うつ病になると、簡単なストレス解消を行っても根本的な治癒は望めないとされています。

では、うつ病とうつ状態の境はどこかと言えば、実はあまり明確な定義がありません。うつ病はまだまだ未解明な事が多く、その原因も明らかではありません。しかし、うつ状態が2週間以上続く場合はうつ病だと診断されます。

うつ状態とは、何となく気分が落ち込んだり、よく眠れない、食欲がない、常に頭痛・腹痛がする、思考力や気力がないといった状態を指します。
こういったうつ状態にある時、リラックスしている時に分泌される脳内の神経伝達物質であるセロトニンが著しく減少しています。セロトニンは「ホッとした気持ち」をもたらしてくれる脳内ホルモンですが、このセロトニンが不足することで、感情に関する情報伝達経路がうまく機能しなくなります。
この状態が続くと、自律神経をコントロールする脳内の視床下部への血流が悪くなり、視床下部の働きが低下します。それにより、自律神経のコントロールができなくなり、ますます眠れない、気分が晴れないといった悪循環を生み出してしまうのです。この状態がうつ病なのではないかと言われています。

◆うつ病になりやすいタイプは?

うつ病の原因は解明されていないことが多いものの、多くは日常的に受けるストレスが原因だと言われています。特に転職や昇進、引っ越しなどの大きな環境の変化や恋人との別れ、大切な家族との死別、事故による突然の障害など、心に重い負担がかかるストレスによって突発的にうつ病になるケースが多いのです。また、特に大きな変化がなくても、日々少しずつ蓄積されるストレス(騒音や人間関係など)が長期間続くことで、うつ病に発展することも少なくありません。

うつ病は単なる怠け病だとか無気力なだけだ、などの間違った認識をされていることが少なくありませんが、実際はまったくその逆です。
うつ病になりやすい人は、責任感が強く、几帳面で何事にも真面目、完璧主義だったり、自分を抑えて他人を優先するお人好しタイプの人、人に気を遣う人がかかりやすいのです。
責任感が強いために過度なプレッシャーを受けたり、決められた期限内に決められたことをやり遂げなければ…という思いが過度のストレスを受け、うつ病に陥りやすくなります。また他人と争うことを嫌うため、自分を抑えて相手を優先させ、長期間にわたってストレスを受け続ける人もいます。

まさかあの人が?と思うようなタイプの人が実は最もストレスにさらされ、日々ストレスと闘いながら過ごし、ついにはうつ病になってしまうのですね。怠け者タイプではなく、毎日を一生懸命過ごし、何にでも真面目に取り組み、きちんと計画を立て、人にも気を遣う人がうつ病になりやすい人なのです。

◆うつ病にならないための予防対策

頻繁にうつ状態になる人は、その状態を長期間継続しないよう、日頃からケアしておくと良いでしょう。一時的なものであれば、すぐに解消することができ、深刻な状況に発展するのを未然に防ぐことができます。
何と言ってもストレスを溜め込まないようにすることが最も大切ですが、ストレス解消法は人それぞれ違いますよね。ですから、この対策ではあえて書きませんが、自分なりのストレス解消法を見つけることが何よりも大切です。そして長期間ストレスを溜め続けないよう、こまめに解消するようにしましょう。
その他、簡単にできるうつ病予防対策をご紹介しておきます。

▼対策その1) セロトニンの分泌を促進する

うつ病はその全容が明らかになっていないにせよ、脳内のセロトニンが大きく影響していることは事実です。そのため、日頃からセロトニンの分泌を促進するようにしておくことがうつ病対策に有効だと言えます。
市販されている「うつ病に良い」とされるハーブやサプリメントは、このセロトニン分泌量を増やす働きがあるものがほとんどです。こうしたサプリメントを上手に摂ることもひとつだと思います。(ただし、抗うつ剤などを服用している人は、サプリメントとの併用には充分気を付けてください。必ず事前に医師に相談しましょう)

○セロトニン促進対策その1:日光を浴びる

セロトニンは日光を浴びることで多く分泌されます。そのため、1日ちょっとずつでも合計して1時間以上は日光を浴びるようにしましょう。昼間に窓辺で太陽の光をいっぱい浴びることでセロトニンの分泌は促進されます。
セロトニンがたっぷり分泌されることによって、睡眠の質も向上します。眠りが浅いなと感じる人は、ぜひ、太陽の光をたっぷり浴びるようにしましょう。


○セロトニン促進対策その2:首のコリをほぐす

首は体中の神経が脳につながっている大事な場所。首がこっていると、神経もうまく伝達されず、セロトニンの分泌量も減ってしまいます。
そこで、特にデスクワークをする人は1時間に1回は、5〜10分くらいの首のコリをほぐすストレッチをするようにしましょう。首のコリをほぐすことで、セロトニンを分泌する部位にも刺激が伝わり、より多くのセロトニンを分泌することができます。


○セロトニン促進対策その3:トリプトファンを摂る

セロトニンの原料はトリプトファンというアミノ酸。トリプトファンはカツオやマグロ、牛肉の赤身などに多く含まれていますが、トリプトファンは寝る前に摂るのが効果的。でも、なかなか寝る前に魚や肉は食べられませんよね。
そこでオススメなのが牛乳。牛乳にもトリプトファンが含まれています。人肌に温めた牛乳を寝る前に飲むことで睡眠中により多くのセロトニンが分泌され、ぐっすり眠ることができます。
また牛乳にはマグネシウムが含まれています。マグネシウムは視床下部を活性化させる働きがあるので、ダブルで効果的です。

▼対策その2) カラダを動かす
運動不足は知らず知らずのうちに、体内にストレスを溜め込む原因となります。またセロトニンの分泌量も減ってしまいます。
やはり、日頃から少しずつでもカラダを動かすことが大切です。しかし注意したいのは「運動しなければならない!」とは思わないことです。例えば、毎日30分ウォーキングをしよう!と決めても、状況によってはできない時もありますよね。そんな時は「今日はお休み」と気楽に受け止めるようにしましょう。「やらなければ」と思うことは、逆にプレッシャーを与え、ますますストレスを増大させることにつながります。
そのためにも、毎日の運動は本当にちょっとしたことだけでもOK。お風呂上がりに簡単なストレッチをするとか、その場で足踏み運動を5分など、すぐにできる簡単なことだけでいいのです。「できることだけやる」を基本にカラダを動かすことをほんのちょっと、取り入れてみましょう。

▼対策その3) 硬いものをよく噛んで食べる
食生活の変化によって様々なシーンで問題となっている「咀嚼(そしゃく)力の低下」。現代人は柔らかいものばかりを食べるため、アゴの力が弱まっているのです。
アゴが弱くなると、実は視床下部の働きにも悪影響が!アゴの筋肉が弱まることで、視床下部の活性を抑えてしまう危険性があるのです。
そのためにも、日頃から硬いものをよく噛んで食べるように習慣づけ、アゴの筋肉を鍛えることで視床下部の低下を防ぎ、うつ病予防にもつながるというわけです。

▼対策その4) 認知ノートをつける
うつ状態が悪化するのは、全て自分が悪い、自分はダメな人間だという思い込みが進行することがひとつの原因と考えられます。それは、つまりは思考が主観的なものになっており、内に向けた視点のみに偏ってしまっているからです。
そこで、日頃から「認知ノート」なるものをつけてみるようにしましょう。

認知ノートとは、ノートを半分に区切り、左に今日起こった出来事、自分が感じたこと、思ったことを書き留めます。そして右側には、自分ではない視点からその出来事を見た時に感じること、事実などを自分が感じたこととは違う視点で書きます。

例えば、左側には自分から見たこと、感じたことを書きます。
 仕事でミスをした
 自分の確認不足が原因だった
 上司に迷惑をかけてしまい申し訳ない

そして、右側には上司の立場から見たこと、考えたことを書きます。
 取り返しのつかないミスになる前に防げて良かった
 上司も確認をするべきだった
 部下のミスをフォローするのも上司の仕事だ

こうして、自分を客観的に見るよう、訓練するのが認知ノートの役割です。
他の方法としては、気になる出来事の事実とその登場人物を書き出します。そして、その出来事をそれぞれの登場人物の立場から見るとどう見えているのだろうかということを書き出していくのです。
こうした認知ノートなるものを活用することで、自分を追いつめる思考から脱却し、ストレスを感じにくい、または感じても耐え抜ける体質を作っていくことができます。いわば、心のトレーニングになるのです。

◆うつ病になったら?その治療法は?

様々な身体的不調があらわれて病院へ行っても、内科では「異常なし」と言われるケースがほとんどで、うつ病が発覚するのは精神科や心療科などの専門科にかからなければわからないことが多いのです。
ですから、「うつ病かな?」と思ったら、思い切って専門科を受診することをオススメします。どうしても精神科に行く勇気が出ない場合には心療内科でも良いでしょう。

うつ病の治療には基本的に抗うつ剤と呼ばれる様々な薬物療法が用いられます。抗うつ剤はセロトニンの分泌を促進したり、自律神経の働きを活発化させたりする働きがあり、医学的根拠に基づいた正しい治療薬が施されます。
またカウンセリングや精神療法、そして認知ノートなどを使った認知療法などが組み合わされます。一般的には2〜6ヶ月ほどかけて、ゆっくりと治療に取りかかります。うつ病は必ず治る病気なので、焦らずに人生の休暇だと思ってしっかりと休養をとり、気長に治療に取り組むようにしましょう。ストレスの原因が仕事や過労などの場合、しばらく仕事を休むよう勧められることもあるでしょう。
また、家族や職場の協力は必須となります。日頃から、特に家族とは良い信頼関係と理解を築き、治療に積極的に協力してもらえるようにしておきましょう。家族の支えが何と言っても一番の治療薬と言えるかも知れません。

◆うつ病の人への対応は?

うつ病患者にとって、周りの環境や対応は治療のためにも非常に重要となります。うつに対する理解がない職場では、うつ病かも知れないということさえ言い出せず、いつまでも放置したがために悪化し、完治まで長い時間を要することも少なくありません。
まずは、うつ病に関する正しい知識を持ち、あくまでも病気であるということを理解してあげることが何よりも大切です。周りの理解と協力ほど有効な治療法はないと言っても過言ではないのです。

うつ病の人は、一生懸命がんばって、がんばって、がんばり過ぎた状態にいると思いましょう。ですから、さらに「がんばって!」と励ますのは逆効果。がんばり過ぎた結果として、うつ病になったのですから、「しっかり休んで」と休養するように声をかけてあげましょう。
また、「はい」「いいえ」で答えられるようなクローズ型の質問は相手を追いつめてしまう可能性があります。「気分はいいの?」と聞くよりも「最近気分はどう?」と自由に回答できるオープン型の質問をするように心がけ、回答に時間がかかっても気長に待ち、回答がなかったとしても、問いつめたりしないことが大切です。
また、何より相手のつらさを理解してあげるようにしましょう。共感してくれる人がいるということは心強いものです。骨折した人の歩けないつらさがわかるように、うつ病の人の心のつらさも理解してあげ、ともに歩む姿勢をきちんと表現してあげるようにしましょう。

うつ病は何よりも周りに良き理解者がいることが早期回復への近道です。周りの対応が一歩間違えば自殺に追い込んでしまう危険性を存分に持っていることを十分認識し、ゆっくりと相手の話を聞いてあげるようにしましょう。「話したい時に話を聞いてくれること」は非常に大切な治療薬となるのです。
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