カラダのニオイチェックの解説コラム

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「カラダのニオイチェック」解説コラム

 

◆はじめに

あまり人には話さないけれども、ひとり悩みを抱えていることが多い「体臭」。80%以上の人が「自分のニオイが気になる」と答えるとも言われています。その証拠に、年々「デオドランド商品」の売上が伸びていますよね。消臭スプレーやサプリメント、洗剤など、さまざまな「ニオイ解消」の商品が販売されています。
では、本当に体臭は増えているかと言えば答えは半々です。
食生活の欧米化に伴い、日本人でも体臭が強い人が増えてきたのは事実です。しかし、体臭を気にしすぎるがために、今までは気にならなかったニオイまでも「クサイ」と捉えて悩んでいる人が増えています。こうした人は「臭くなった」のではなく、単に気にしすぎるようになったにすぎないのです。
体臭はそのメカニズムの研究が進んでおり、「なぜ臭うのか」の原因が明らかになっています。だからこそ、きちんと対策し、解消することができるものなのです。正しい知識を身につけ、ニオイの原因となるものを解消し、何より「気にしすぎない」ことが大切です。

◆体臭と汗の関係・その対策

体臭の主要原因は簡単に言えば「汗」です。汗を排出する汗腺には「エクリン汗腺」と「アポクリン汗腺」の2種類があります。
エクリン汗腺とは、全身にある汗腺で、主に汗を出して体温調整をしている大切な汗腺です。汗をかくと臭うと思っている人が多いのですが、正確に言えばエクリン汗腺から出る汗は99%が水分で無臭です。しかしここに雑菌が混ざることによって雑菌が繁殖し、それがニオイの元になります。雑菌が汗を好んで繁殖しやすい環境を作り出してしまうからです。
しかし雑菌の繁殖さえ抑えれば、エクリン汗腺から出た汗は臭いません。つまり汗をかいた後、シャワーで汗や雑菌を流したり、汗の付いた衣類を着替えることによって雑菌の繁殖は起こらない、つまりは臭くならないのです。

しかしくせ者はアポクリン汗腺から出る汗です。アポクリン汗腺は主に脇の下や股間、胸などに密集しています。特に密集しているのが脇の下です。
アポクリン汗腺から出る汗はタンパク質や脂肪分を多く含んでいます。そのため雑菌のエサとなって、急速に雑菌が繁殖し、ニオイの発生源となってしまうのです。
エクリン汗腺から出るニオイは、いわゆる「汗くさい」ニオイなのに対し、アポクリン汗腺から出るニオイは酸っぱいようなニオイになります。日本人は欧米人に比べてアポクリン汗腺が小さいのですが、まれに日本人でもアポクリン汗腺が大きく、活発に活動する人がいます。これがワキガの原因となっています。

足がクサイ人はエクリン汗腺から出る汗がによって雑菌が繁殖していることが原因です。人間は1日に足だけでコップ1杯分の汗をかくと言われています。これが靴下や靴などで密閉されたような状態にあると、雑菌が好んで繁殖し、ニオイの元になってしまうのです。これにはできるだけ通気性を良くし、湿った環境を解消することでニオイを抑えることができます。
足がクサイ場合のとっておきの対策は酢水に浸すこと。洗面器やバケツにぬるま湯をはり、スプーン1杯くらいのお酢を入れた酢水に足を10分程度浸しておくだけ。木酢や竹酢などの植物性の酢も効果があります。これは酢に含まれるクエン酸が雑菌を消毒し、ニオイの元を取り除いてくれるからです。

また、脇の下が臭う人はアポクリン汗腺の働きが活発なことが原因です。アポクリン汗腺は手術などで取り除くことができますが、多くの場合は本人が気にしすぎているだけの場合が多く、一般的には常に汗をこまめに拭いたり、乾燥させて清潔に保つことでニオイはかなり抑えられます。
アポクリン汗腺が活発かどうかを調べる簡単な方法があります。それは耳アカが湿っていないかどうかを見てみることです。アポクリン汗腺は耳の中にもあるため、アポクリン汗腺の働きが活発なら、耳の中も湿っぽくなります。耳アカが水気を含んでいたら、それはアポクリン汗腺の働きによるものです。また、アポクリン汗腺から出る汗は黄色がかっているので、汗のついた衣類をそのままにしていたら黄ばんだ…という人は、アポクリン汗腺から出た汗によるものだと言えるでしょう。

◆体臭と食生活の関係・その対策

もうひとつの主要な発生源が「皮脂線」。人間は常に皮脂線と呼ばれる分泌器官から皮脂を分泌しています。皮脂は皮膚にとって非常に重要な役割を果たしているのですが、この分泌量が増えることによってニオイの発生源となってしまいます。それは皮脂の分泌量が増えると同時に、皮脂腺内に脂肪酸が増加するためです。この脂肪酸がニオイの原因になるのです。
通常、人間は食事などから摂取した脂肪分を臓器で分解、活用し、余った脂肪を皮脂として皮脂腺から体外に排出しています。しかし摂取する脂肪分、特に動物性脂肪が多くなると、臓器での分解が追いつかず、そのまま脂肪分を含んだ形で皮脂腺から出すのです。そのため、皮脂には多くの脂肪酸が含まれ、それが臭ってしまうのです。
この皮脂腺が多く密集しているのが頭皮。頭皮が脂っぽく臭う人は、肉などの動物性脂肪の摂りすぎが原因であることが多いのです。動物性脂肪が多すぎて皮脂腺から脂肪酸が多く出て、ニオイの原因になっています。

また、腸内の善玉菌が減少し、悪玉菌が増えることで、腸内環境が悪くなります。腸内環境が悪くなると、腸内での活発な消化吸収活動が行われないため、分解しきれないタンパク質などがアンモニア臭を放つ腐敗産物になってしまいます。これが腸管を通り血液に流れ込み、ニオイの原因となってしまいます。
胃腸の調子が悪い人や便秘がちの人は、ビフィズス菌などの善玉菌を積極的に摂る方が良いでしょう。

また活性酸素によって脂肪酸の酸化を促進してしまうため、抗酸化作用の強い食べ物を多く摂ることも大切です。第一に動物性脂肪を摂りすぎないこと、第二にビフィズス菌などの善玉菌を多く摂ること、第三に抗酸化作用の強い野菜や果物を多く摂ることが大切です。

◆体臭とアルコールの関係・その対策

よく知られている通り、アルコールは血行を促進する効果があります。血流が良くなると当然、発汗も促されます。そのため、汗をかく量が多くなり「体臭と汗の関係」のように、ニオイの原因となることがあります。アルコールによって促進されて出る汗は特にタンパク質などが多い汗で、強いニオイを伴うことが多いのです。しかし、アルコールはそれだけでなく、体臭と深い関わりがあります。
アルコールは体内に入ると肝臓でアセトアルデヒドや酢酸というニオイの強い物質に代謝されます。これらのほとんどは尿で排出されますが、一部は汗腺などから出るため、これがニオイの原因になります。
また、アルコール自体が「酒クサイ」と言われるほど、非常にニオイの強い成分でもあります。アルコール自体のニオイに汗や代謝物質のニオイが混ざり、さらに強いニオイを放つ原因になってしまいます。アルコールによる悪臭は体臭もさることながら、口臭がきつくなりますよね。口臭が強くなる原因も上記のようなものですが、口臭の方が周囲に気づかれやすく、また嫌悪感を誘ってしまうものでもあります。

しかしながら、適量のアルコールは多少の体臭抑制効果があります。皮脂腺から出る皮脂の分泌には、老化の原因とも言われる活性酸素が大きく影響しているのですが、適量のアルコールにはこの活性酸素を抑える効果があるからです。ですから、アルコールと一緒に抗酸化作用のあるもの(ビタミンC、E、カロチンなどを多く含むフルーツなど)を一緒に食べるとニオイは抑えられます。
アルコールは飲みすぎはカラダに大きな害を与えますが、適量であれば、逆に良い効果をもたらしてくれる作用がたくさんあります。生活習慣病の発生率も、最近はまったく飲まない人よりも適量飲む人の方が発生率が低いという報告も出ているほどです。しかし、あくまでも適量であれば…が前提条件です。適量のお酒を心がけるようにしましょう。二日酔いなどのイヤな悪臭は周囲の人にも迷惑をかけることになります。なお、飲んだ翌朝の口臭が強くなるのは、寝ている間にアルコールを含んだ口内が雑菌の絶好の繁殖場となってしまうためです。翌日のニオイを気にするのであれば、歯磨きや口内洗浄をきちんとしてから寝るようにしましょう。

◆体臭とタバコの関係・その対策

タバコも体臭に大いに関係があります。タバコはそれ自体にニオイが強く、タバコを吸わない人にとっては、タバコのニオイというものは耐え難いという人も少なくありません。タバコを吸うことでタバコのニオイがカラダについて、「タバコクサイ」ということになるのは周知の事実でしょう。
しかし、単にタバコ臭の問題だけでなく、体臭そのものにも影響しています。特にワキガのニオイを強めてしまう可能性が高いのです。
タバコの主成分であるニコチンには2つの汗腺、エクリン汗腺とアポクリン汗腺の働きを活発にしてしまう作用があります。そのため発汗量が増え、特にアポクリン汗腺が大きく活発な人はその働きをさらに強めてしまう原因になるのです。
また、タバコは内蔵機能を低下させる悪影響がありますよね。これもまた体内で分解できるはずの物質がそのまま体外に出てニオイの原因を作り出してしまうため、やはり体臭にも影響すると言えます。内蔵機能が低下することで引き起こされる体臭は少なくないのです。カラダのことを思うなら、タバコは1日でも早くやめた方が賢明です。

◆体臭とダイエットの関係・その対策

「激減」という急激なダイエットをした人は経験があるのではないでしょうか。無理なダイエットで短期間のうちに急速に体重を落とすと、これはまた体臭の原因となってしまいます。
そもそも、体臭はカラダの代謝と非常に関係が深いのですが、この代謝が無理なダイエットによってうまく回らなくなることによってニオイの発生源を生み出してしまうことになります。
例えば、過酷な食事制限などにより必要なエネルギー(カロリー)を摂取しないと、カラダは防衛本能から無理にでもエネルギーを作り出そうとします。このため、脂肪の代謝が悪くなり、それが皮脂腺を通って皮脂として体外に排出されてしまいます。ここにはもちろん脂肪酸がたくさん含まれており、これがニオイの原因となってしまいます。
また正常な代謝が行われないことで、カラダはさまざまな防衛本能から、通常ではあまり生成されない物質を大量に生成するようになります。その中にはアンモニア臭などの強いニオイを持つ成分も多く、それらが体臭の原因になります。
また強引に脂肪の摂取量が減ることで、逆に血液中の脂肪酸の量が増えます。これは急激なダイエットだけでなく、糖尿病を患っている人にも同じ現象が起こります。これにより血液中の脂肪酸が分解しきれず、強烈なニオイを持つケトン体という物質が合成され、これが強いニオイの原因となってしまいます。
体臭の問題だけでなく、短期間の内に何キロも体重が減るような急激なダイエットは絶対にカラダに良くありません。体重が減っても健康的に美しく痩せられなければ本来の目的も達成できないでしょう。特に食事制限だけで痩せようとするのは無理がありすぎます。ダイエットをするなら、ある程度の食事制限はしたとしても、1日に必要なカロリーと栄養素をしっかり摂り、代謝をあげるために適度な運動を併用することを忘れないようにしましょう。

◆体臭とストレスの関係・その対策

何度も「気にしすぎるのは逆効果」と言ってきたのはストレスも体臭と関係があるからです。
精神的な圧迫を受けるストレスは、老化の原因とも言わる活性酸素を多く生み出してしまいます。「自分はクサイのではないか」と気にすれば気にするほど、活性酸素が増え、体内の脂肪が酸化するのを促進してしまうのです。活性酸素が増えると、皮脂腺から出る脂肪酸の量を増やしてしまいます。脂肪酸が多く出るとニオイが強くなる。そしてまた気にする…という悪循環を生み出してしまうのです。
もちろん、体臭以外のことでもストレスは良くありません。ストレスは単に精神のものではなく、血行や内臓など、さまざまな部位に悪影響をもたらすことが数々の研究からもわかっています。
ストレスをうまく解消できる方法を見つけ、溜め込んで一気に発散するのではなく、毎日少しずつ、溜め込まないように上手にストレスと付き合っていくことが大切です。

体臭だけでなく「ニオイ」というものは人によって感じ方が大きく違うものです。良いニオイ、イヤなニオイは人それぞれ違うでしょう。ニオイの好みはそれまでの生活習慣や経験に左右されることが多く、例えば猫をずっと飼っている人は猫のニオイは気になりませんが、飼っていない人は敏感に猫のニオイを感じます。
体臭も同じ、人によって感じ方はさまざまです。しかし、気にすれば気にするほど敏感になり、それがストレスになってしまうことが少なくありません。自分の体臭は自分が一番近くで嗅いでいるため、最も敏感に感じ取ってしまうものですが、他人にはそんなに気にならないことはよくあることです。気にしすぎることで幻覚ならぬ幻嗅とも言える「自己臭」を持つようになり、それが原因で対人恐怖症になってしまうこともあります。とにかく、気にしすぎないこと。汗をかいたらこまめに拭くなどの基本的な対策をしている限り、日本人はそうそう強いニオイを放つような体質を持ち合わせていません。自分のカラダに自分の心で体臭をつけてしまわないようにしましょう。

◆体臭と年齢の関係・その対策

30歳頃まではほとんどありませんが、40歳を過ぎた頃から急速に増え、50歳を越えるとさらに加速するのが「加齢臭」といわれるニオイです。これは脂肪分が酸化・分解された後に生じるノネナールという物質によるニオイです。
年齢を重ねるごとに活性酸素による体内の酸化が進みます。当然、脂肪酸も活性酸素によって酸化が進みやすくなりるため、こうした加齢臭が増えていくのです。特に男性は皮脂の分泌が女性よりも多いため、これらの加齢臭が多くなると言われています。
加齢臭は年齢と共に仕方のないことですが、これを抑制するにはやはり抗酸化作用のあるものを多く摂ることが予防策になります。また、動物性脂肪を多く含むものを控えるのも大切ですね。果物や野菜をたくさん食べ、肉類を控えることで、加齢臭もずいぶんと軽減されるでしょう。
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