環境ホルモン危険度チェックの解説コラム

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「環境ホルモン危険度チェック」解説コラム

 

◆はじめに

「環境ホルモン」という言葉は1998年に流行語大賞にも選ばれましたが、その影響もあってか、言葉だけがひとり歩きしている傾向も指摘されています。単に「環境ホルモンは恐ろしいものらしい」ということではなく、何が原因となり、どんな影響を与えるのか。また日常生活でどういった危険が実際に潜んでいるのかをきちんと理解し、危険を回避しながらも正しい知識を持って、必要以上に恐れないよう、私たち消費者もすこし賢くならなければなりません。

◆環境ホルモンとは?

「環境ホルモン」という言葉は環境ホルモン研究の第一人者である横浜市立大学教授・井口氏が命名した造語です。正しい名称は「内分泌攪乱(かくらん)化学物質」と言います。まだまだ研究段階のため、環境ホルモンとひとことに言っても正しい定義も曖昧なのですが、一般的な定義として、「外来の化学物質でありながら、体内のホルモンと同様の作用を引き起こしたり、逆に体内のホルモン作用を阻害する物質のこと」とされています。

そもそも環境ホルモンに注目が集まったのは1996年にアメリカから発行された「奪われし未来」という本が発端です。この本によって研究者だけでなく全世界の一般の消費者にも「環境ホルモンの危険性」という課題が与えられたと言って良いでしょう。
つまるところ、環境ホルモンが注目され、研究され始めてから、まだ10年も経っていないのです。国としてもさまざまな提言を発表していますが、それらはあくまでも「危険がある可能性がある」というレベルの提言であり、実際のところ、詳細な原因物質やそれらの作用は特定されておらず、これからの研究課題となっています。環境省が環境ホルモンとして提示している67の物質も、検証結果としてその危険が立証されたものではなく「可能性があるもの」としてあげられているもので、その真意はまだわかっていません。

◆環境ホルモンの影響

研究途中といえども、危険性をはらんでいることは否めません。実際にこうした大きな問題として、全世界で捉えられるようになった背景には動物たちの異常があったからです。孵化しない動物の卵が多く出現したり、メスにペニスが生えたり、オスが卵を産んだりというような主に生殖系に関して、いわゆるインポセックスという現象が次々に発見されました。
これらの原因を追及していったところ、その生息地周辺にある工場から流れる排水や海底にたまった化学物質などに原因物質が多量に含まれていることがわかったのです。これらは生殖器の働きに重要なホルモン系の物質と非常に似通った働きをしたり、または体内ホルモンの働きを阻害したりすることがわかりました。
これらを通称で「環境ホルモン」と呼ぶようになったのです。

こうした環境ホルモンが人体にどう影響しているのか。
一般的には精子の数が減る、生殖器に異常がある子どもの出生率が高くなるなどと言われています。事実としてそうした例が増えているのは確かですが、これらがどの環境ホルモンがどう影響しているのか、証明されているわけではありません。環境ホルモンの影響は憶測の域を出ていないのです。
しかしながら、こうした化学物質が他の動物と同じように、人体にとっても良いわけはありません。どの程度の濃度や量で悪影響が出るのかはわかっていませんが、できる限り摂らないようにする努力はするべきでしょう。知らない間に体内に蓄積され、自分には影響は出なくても、子どもへと引き継がれ、孫へと引き継がれて、遠い未来に影響を及ぼす危険性も否めないのですから。

◆食物に含まれる環境ホルモン

環境ホルモンの疑いがあるとされる物質の中で最も多いのが農薬です。危険性の高い農薬は使用が禁止され、比較的安全であると確認されたものを使用量を制限されて利用されてはいますが、それでも危険性は否定できません。
農薬は害虫から農作物を守り、各家庭に届くまでの間、保存させるためにある程度の量は必要だと言われています。農薬を一切使わないものは、かえって害虫等の危険性をもっているとも言われています。
しかしながら、海外から輸入されるものは、収穫から家庭に届くまでに時間がかかるため、保存しなければならない期間が長くなるため、使用される農薬の量も多くなります。
中でも果物などによく使われるポストハーベストで使用する薬剤は非常に危険性が高いと言われています。通常、国産のものであれば、皮をむいて食べるものはまず大丈夫といっていいでしょう。実を食べるものもよく水洗いすればまず安心です。しかしこのポストハーベストで使用する薬剤は皮があっても実の内部まで染み込んでいる可能性があり、非常に危険です。果物だけでなく、野菜などの植物も同じです。

また肉や魚、卵などの動物性食品も、発育を促すために合成女性ホルモンが飼料として使われていることがほとんどです。こうした合成女性ホルモンも環境ホルモンのひとつとして、人体に悪影響をもたらすと言われています。輸入物がすべて悪いというわけではありませんが、やはり危険性が高いことは否めません。

国産ならすべて安心かと言えば、そうではありません。工場排水に厳しい規制がかかったのはごく最近のことで、昔に流れ出した化学物質はまだまだ海底に沈殿しています。そうした海水で育った魚には、やはり環境ホルモンが多量に含まれていることが多いため、近海の魚も危険性が高いと言えるでしょう。

◆殺虫剤に含まれる環境ホルモン

農薬と同じく、家庭用の殺虫剤にも数多くの環境ホルモンが含まれていると言われています。
ゴキブリやハエ、蚊などの害虫対策として殺虫剤を常備している人も多いでしょうが、こうした殺虫剤も人体にかかったり、散布液を空気中から吸い込んだりすることで、やはり悪影響が懸念されています。
家庭で害虫を見かけても、むやみやたらと殺虫剤をまくことは控えた方がいいでしょう。特に子どもが近くにいる時は注意しましょう。マスクをするなどして、空気中から吸い込まないように工夫することも大切です。

また衣類の防虫剤も同じです。防虫剤も殺虫剤の一種なので、これにも環境ホルモンは含まれています。必要量以上を利用しないように注意し、長期間、防虫剤を入れてしまっておいた衣類は一度洗ってから着るようにしましょう。

こうした家庭用殺虫剤は締め切った部屋で利用せず、できるだけ空気の通りをよくして、必要最低限だけ利用するように心がけましょう。

◆加工食品に含まれる環境ホルモン

カップラーメンやインスタント食品、缶詰などは手軽で便利です。しかしこれらは健康被害への懸念だけでなく、環境ホルモンの危険性をも持ち合わせています。
これらの問題は中身ではなく容器。カップラーメンなどに使われている容器は9割が発泡スチロールが使われています。この発泡スチロールの原料はスチレンというもので、これが環境ホルモンとして疑われています。
スチレンを製造している工場で勤務している人には生殖器異常を抱える人が多いとの報告も出ているほどなので、その危険性は十分に気を付けなければなりません。

環境ホルモンはスチレンをはじめとして、ほとんどが水よりお湯、お湯より酢、酢より油、油よりアルコールに溶け出しやすいと言う性質があります。カップラーメンなどは麺そのものが油で調理されているので、ここに熱湯を注げば食する部分にスチレンが溶け出してしまい、結局体内に入ってしまうことになります。

また、缶詰類も中身より容器に問題があります。ツナ缶やコーン缶だけでなく、缶コーヒーなどの缶ジュース類も同じです。
缶詰の内側にはプラスチック樹脂のコーティング剤(エポキシ樹脂)が使用されていて、この樹脂が環境ホルモンとして疑われているのです。こちらも同じく水よりお湯、お湯より油に溶け出しやすいという性質があるため、コールドドリンクよりもホットドリンクの方が危険性が高いと言うことになりますね。またツナ缶など、たっぷりの油を含んだ缶詰はさらに危険性が高いと言えます。

缶詰を利用する時は缶の裏(底)を見てみましょう。底が白いものはエポキシ樹脂を使用していないため、安心できると言えます。また、缶詰と言えども古くなると、どんどん容器に含まれる物質が中に溶け出してしまうため、できるだけ早く使うように心がけましょう。


その他にも台所洗剤や洗濯用洗剤、掃除用洗剤などの合成洗剤類やシャンプー、リンス、化粧品、毛染め液など、私たちが享受している便利な文化生活の中にはたくさんの環境ホルモンリスクがひそんでいます。ドライクリーニングも石油を使用して洗濯するため、やはり多くの問題を抱えています。
便利な生活を続けていく中で、こうした未知なる危険性を増大し続けていることを忘れてはいけませんね。そしていくら便利でも、手軽でも、自分ひとりではなく、子どもや孫など自分の子孫にまで悪影響が及ぶかも知れないリスクに対しては、その責任としてきちんとリスク回避をするように心がけていきましょう。
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