脳力チェックの解説コラム

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「脳力チェック」解説コラム

 

◆はじめに

学校の成績が良い人、学歴の高い人が「脳力が高い」というわけではありません。それらも一部の要素ではありますが、脳力とはもっと広い意味で、その人の行動、思考、感情、感性、人間性などすべてを指しています。
今まで脳は年齢と共に必ず低下するものであり、歳をとってから脳は鍛えられないと信じられてきました。しかし違ったのです。脳は鍛えれば鍛えるほど、いつまでも向上し続けるもので、逆に使わなければ二十歳になる前からでもどんどん低下してしまうものなのです。最近は脳を使わない生活をする人が増えてきたことによって、若年性痴呆症(若ボケ)も急増しています。脳を使わなくても支障なく生活できるようになってしまった時代だからこそ、意識的に普段から脳を鍛え、能力の低下を防ぎ、さらにさらに能力を高めるようにトレーニングしましょう。

◆脳力とは?

人間の体の細胞は、生まれた時が最も少なく、成長とともに新陳代謝を繰り返しながらどんどん増加していきます。しかし脳細胞は生まれた時にすでに完成していて、誰にでも平等に約140億個あります。その後は決して増加することはなく、むしろ成長とともに減少し、一度脳細胞が壊れると再生しません。
しかし人間は、この偉大な脳細胞を死ぬまでに3%程度しか使用していないと言われています。天才として知られている偉人たちでも7%くらいが限度です。残りの脳細胞は使用しないまま寿命がつきるのです。つまり、年齢とともに脳細胞がいくら減少していくと言っても、まだまだ使用していない脳細胞は温存されているため、「歳をとると脳は鍛えられない」というのは嘘なのです。脳細胞が減っていっても、使用する脳細胞はまだまだ限りなく残されているため、人間の構造上、死ぬまで使い続けることができるのです。

脳細胞は使われれば使われるほど、シナプスという神経線を出し合い、他の脳細胞とつながります。シナプスは脳細胞同士を網目状につないでいき、これが「脳力」と言われるものになります。つまり脳を使って脳細胞を刺激し、シナプスをたくさん出して大きな回路網を作ることこそが、脳力を高めることにつながるのです。

この回路網こそが、その人の思考や行動、感情、意志、感性などのさまざまな結果を導き出しています。回路網のできかたにこそ、個性があり、個人差が生まれ、頭が良いとか悪いとかの結果につながっているのです。生まれた時は万人に同じ数だけある脳細胞に差が生まれてくるのは「脳を使っているかどうか」であり、それによって脳力に差が出てくるのです。

ちなみに勉強ができる人、学校の成績が良い人がイコール脳力の高い人というわけではありません。勉強という要素も回路網が作り出す結果のひとつではありますが、それがすべてではないのです。脳力とは人間性をも含む、個人がもつすべてを指すと言っても過言ではありません。

◆右脳と左脳の役割

脳には脳幹や小脳など、さまざまな部位がありますが、その中でも脳力に最も深く関わりがあるのが大脳です。大脳は1981年にノーベル医学・化学賞を受賞したスペリー博士によって、それぞれが明らかに異なる役割を担っていることが証明されました。

この実験まで、大脳で重要なのは言語中枢をつかさどる左脳だけだと認識されていて、右脳は劣性だとしてあまり重要視されていませんでした。しかし右脳はイメージや潜在意識など、言葉にならない情報を処理しているということがわかったのです。

左脳は言語脳とも言われるように、言語的・分析的・理論的な情報処理をする役割を持っています。顕在意識であり、理解や記憶、理性、思考などの部分をつかさどっています。処理速度としてはゆっくりとしたもので、その容量も大きくありません。そのため、新しい記録が増えると古いものに上書きされ、一生懸命暗記しても忘れるということが起こります。
一方右脳は感性の脳とも言われ、直感的・空間的・全体的な情報処理をする役割を持っています。潜在意識(無意識)であり、イメージや感性、ひらめき、瞬間記憶などの部分をつかさどっています。処理速度が非常に速く、瞬時に行動に移すことができます。また無限の許容量があり、いつまでも記憶しておけるため、幼少の頃に見た景色やイメージなどをいくつになっても忘れないということがあるのです。

今まで右脳が軽視されてきたため、学校教育は左脳開発中心の内容となっていました。また天才と言われた偉人達は右脳がとても発達していることが多いということから、最近は積極的に「右脳教育」をするべきだという声をよく耳にします。しかし大切なのは左右脳のバランスであり、右脳だけを鍛えれば良いということではありません。

左脳と右脳で異なる役割を持っていると言っても、ひとつの行動はどちらか一方の脳しか使っていないわけではありません。例えば本を読むにしても、目に入った情報を右脳がイメージとして捉え、それを左脳に送り、左脳が文字として認識した上で文章の意味を理解するのです。

◆利き脳とは?

人には利き手というものがあるように、脳にも利き脳があります。最近はよく左脳派、右脳派などと言われますね。それが利き脳です。
脳を含め、首から上と下とは左右が逆になります。右手を使えば左脳が、左手を使えば右脳が使われていると言われています。

自分の利き脳を知る方法がいくつかありますが、どれもしっかりとした科学的根拠に基づいているわけではありません。しかし最も有力な判別方法をご紹介しましょう。

自然に両手を目の前で組んでください。(指の間に指を入れるように)この時、どちらの親指が上になっていますか。左が上なら右脳派、右が上なら左脳派です。
今度は自然に腕組みをしてください。この時、上にくる腕はどちらでしょう。これも同様に左が上なら右脳派、右が上なら左脳派です。
このひとつ目は「インプットにおける利き脳」だと言われています。左脳派の場合、何かを見たり聞いたりした時に、まず左脳を使って論理的に受け止め、理屈や道理を理解しようとするタイプです。右脳派の場合は、まず右脳でイメージとして受け止め、直感的に理解しようとするタイプ。
ふたつ目は逆に「アウトプットにおける利き脳」。左脳派の場合、左脳で考えて道筋を立てて論理的に表現しようとするタイプ。右脳派の場合は右脳で考えて直感やイメージに従って表現しようとするタイプということです。

◆設問別に見る脳力トレーニング

まずは自分の弱い能力を把握しましょう。診断チェックの設問の中で答えられなかったものはなんですか。その能力に偏りはないですか?

1.左脳的記憶力

勉強や暗記が中心となる左脳的な記憶力をはかる設問は、
 買い物に行って買うべきモノを忘れる
 人の電話番号を覚えているか?
 前総理大臣のフルネームは?
などが該当します。
文明の利器に頼り、自分の頭で記憶しなくても生活に支障が出ないようになり、大人になるにつれてどんどん記憶力は低下しています。年齢とともに「記憶力が落ちたな」と思うのは、こうした左脳的記憶力だと言えます。
こうした脳力が衰えていると感じる人は、反復記憶を繰り返すことが大切です。10桁の数字を10〜20秒くらいで暗記し確認をするというトレーニングを毎日続けることで脳力アップにつながります。


2.右脳的記憶力

イメージ記憶や瞬間記憶と言われる右脳的な記憶力をはかる設問は、
 ヘアースタイルが変わった
 一昨日の晩ご飯は?
 信号機の赤はどこ?
などが該当します。
これは見たモノを瞬間的に記憶したり、普段からよく目にしているものをイメージとして再現できるかという脳力です。信号などは毎日のように目にしているのですが、実際その配色がどうだったかと聞かれれば、その姿を鮮明に呼び起こせないという現象です。
こうした脳力に衰えを感じる人は、絵や写真などを数十秒間見て覚え、何が描かれていたのかを鮮明に思い出していくというトレーニングで鍛えることができます。
「ヘアースタイルが変わったのに気づくか」という設問では、注意力や他人への気配りなども含まれます。


3.論理的思考力

左脳を使って情報を処理し、論理的に考える力をはかる設問は、
 スケジュールを立てるか?
 どちらのパンが安いか?
 何週目の何曜日か?
などが該当します。
論理的思考力も年齢とともに低下しやすい脳力ですが、それは物理的な年齢のせいではなく、「思考すること」から逃げ、受動的な生活を送るようになってしまうことが原因です。毎日長時間テレビを見る人は、情報が勝手に流れてくるのをただ受け止め、思考することなく結論を受け入れることで論理的な思考力を低下させてしまいます。
論理的思考力は「考えよう」と意識し、物事に対して正面から考えるように努めるだけで、きちんと脳力を取り戻すことができます。考えることを敬遠せず、きちんと考える習慣をつけるようにしましょう。


4.空間認識力

右脳を使って情報を処理し、空間やイメージを認識する力をはかる設問は、
 最寄り駅までの道のり
 整理整頓する
などが該当します。
ただし最寄り駅までの道のりは空間的な理解に加えて、どうたどれば最短距離で行けるか、などの論理的思考力も必要となります。
こうした脳力は想像力、創造力とも共通する部分があります。芸術家やデザイナーなど、クリエイティブな仕事をしている人は、こうした能力に優れていると言えるでしょう。こうした脳力を鍛えるには、モノや建物を簡単でもいいのでスケッチすること。見たモノを立体的に捉え、それを具現化するというトレーニングがいいでしょう。

ちなみに「コップが落ちそうに…」というのは反射神経や運動能力、瞬間理解という脳力です。


5.総合的なトレーニング方法

右脳は笑うことによって刺激され、シナプスが伸びていくと言われているので、毎日よく笑う人は脳も衰えにくいと言われています。笑うということはその他にもさまざまな健康効果があるとして最近特に研究に力が入っています。脳力のためだけでなく、毎日笑うことを意識して、人と話したり、漫才を見たりするのも大切です。

総合的に脳を鍛えるには、音読が非常に良いでしょう。新聞や雑誌は普通、声を出さずに黙読しますが、これを音読するだけで、驚くほど多くの脳細胞が使われ、刺激を与えてくれます。毎日10分だけでも、音読することを心がけましょう。
ちなみに、幼少の頃の読み聞かせは子どもの脳力に大きな影響を与えると言われています。言葉が理解できなくても、文字が読めなくても、イメージ(絵)と言葉を両方同時に聞くことで、右脳と左脳がバランスよく刺激され、認識力や理解力を高めます。小さいお子さんがいらっしゃる方は、自身の音読のためにも、子どもの発達のためにも、ぜひ挑戦してください。
また足し算や引き算、割り算を毎日100問ほどを繰り返し行うことも脳に良い刺激を与えます。計算は簡単なもので構いません。難しい問題を解くよりも、簡単でスピードと正確性を重視するようにしましょう。
これは特に左脳の能力を高めることに有効です。最近ではこうしたゲームも発売されていますね。ただしかけ算はあまり意味がありません。というのもかけ算は九九を丸暗記したものを引き出しているに過ぎず、脳を使って計算をしているとは言い難いからです。

◆脳力になる食生活

脳はDNAやRNAなどの核酸でできています。当然ながら、脳にも栄養素がたっぷり必要で、カラダの中の重量に対する必要エネルギーの割合は非常に高くなっています。思い切りカラダを使うことよりもアタマを使うことの方がエネルギーの消費量も多いと言われているほどです。
ではそんな脳に効果的にはたらきかける食べものは何でしょう。最近ではブレインフードと呼ばれ、脳機能向上に効果があるサプリメントなども多く販売されています。あくまでも信頼できるものしかオススメはできませんが、確かに東西を問わずしてハーブ類には脳力を高める効果があるものがたくさんあります。こうしたハーブも上手に取り入れながら、日々の食生活から改善できる能力アップもぜひ取り組んでいきましょう。

1.ブドウ糖

脳はカラダの他の部分とは違い、ブドウ糖だけが唯一のエネルギー源です。お米に含まれる炭水化物は体内で代謝され良質なブドウ糖となって脳のエネルギー源となります。そのため、毎日必ずお米を摂るようにしましょう。特に朝食にお米を食べることで、朝から脳はエネルギー全開ではたらくことができるため、オススメです。
最近はブドウ糖の砂糖菓子のようなものも売られています。これらは効率よくブドウ糖だけを摂取できるので「ちょっとアタマが疲れたな、回転が悪いな」と思う時に利用するのも良いでしょう。


2.魚のDHA・EPA

イワシやマグロ、サバなどにはDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)という不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。こうした不飽和脂肪酸は血管がつまる血栓を予防し、脳に十分な血液を送るのを助けてくれます。またDHAには知能のはたらきを促進する作用もあると言われています。
これらは魚の脂に多く含まれているため、積極的に魚を食べましょう。


3.緑黄色野菜のビタミン

ビタミンは脳にとっても非常に重要な栄養素です。その中でもビタミンB群は脳機能には特に重要なビタミンで、B群が不足すると痴呆症などの発症を早める原因になってしまいます。良質なビタミンはやはり緑黄色野菜を中心に、新鮮な野菜類から得るのがベスト。抗酸化作用の強いβカロチンやビタミンC、Eも同時にたっぷり摂ることで、さらに脳へ効果的にはたらいてくれます。
さらに大豆に含まれるレシチンという脂肪酸も体内で神経伝達物質であるアセチルコリンに変化し、直接脳に働きかけて脳力を向上させてくれます。大豆は良質なタンパク質源でもあるため、積極的に毎日の食生活に取り入れたいものです。
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