自己認識力度の解説コラム

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「自己認識力度」解説コラム

 

◆はじめに

自己認識力とは、自分の感情(情動)を自分自身で把握する能力を指します。この自己認識力は「心の知能指数」と言われるEQにおいても、核となる最も基本的な能力だと言われています。自分が今なにをどう感じているのか、冷静で客観的に自分の感情を把握できるということは、その上で自分の行動を決めることができるということです。逆に自己認識できていないと、情動に流された行動しかできなくなり、対人関係においても支障をきたしてしまいます。「自己認識」ということについて、この機会に少し考えてみてください。まずは関心を抱き、多少なりとも心がけることから始まります。

◆「汝自身を知れ」

「汝自身を知れ」とは、かのソクラテスが世界に知らしめた言葉です。 ソクラテスは何か行動しようとすると、必ずそれを止めに心に入ってくる「何か」がいました。(それを「否定の神」と呼んでいました) しかしふとある時、ギリシャ宮殿に書かれた「汝自身を知れ」という言葉を見て、その言葉の意味を深く考えたのです。そして、「自分の支配者が自分でない」という状況にあるということを、身をもって悟ったのでした。

それにより、ソクラテスはいつも自分を否定し、支配しようとしていた「否定の神」に気づいたのです。それは「自分自身が気づいていない自分の感情」であり、自分の感情を把握できていないことによって起こる「無意識の自分」だということでした。 そして、ソクラテスは自分の一番身近なものは「自分」である、まずそれに目を向けよと言いました。そして無意識や無感覚を徹底して排除するように努め、自分の心の状態をいつも把握できているようにすることを強く意識しました。 それ以来、「否定の神」は出てこなくなったそうです。

「汝自身を知る」

これはつまり、自分の感情や情動を把握することであり、「自分の支配者は自分である」という状態を保つことでもあります。 このソクラテスの思想は、今で言う自己認識力を指していると言われています。

◆ 自己認識による行動パターンの違い

自己認識ができているかいないかによって、起こす行動のパターンが違うと言われています。

例えば、イヤなことや不愉快なことが起こった場合。

まず自己認識できている人は、自分の感情を把握し、感情のコントロールができるため、健全な心理状態を保つことができます。また、前向きで積極的な価値観を持ち、いつまでも落ち込んだりせず、すばやく抜け出すことができます。
一方、自己認識できていない人は、把握しきれない自分の感情の陥ってしまい、なかなか抜け出せないことがあります。自分の感情をはっきり把握できていないため、どうやって抜け出したら良いのかもわからず、感情のコントロールができなくなります。その結果、抜け出すこと自体を諦め、そのまま感情に埋没してしまうことがあります。また、自己認識はできているけれども、適切な行動に移せない人もいます。この場合、自分の感情をそのまま受け入れ、それをどうにかしようとはしません。いつも感情が穏やかで機嫌がよい人に多いタイプとも言えます。しかし悲観的で、マイナスな感情である人は大変です。自分にとって良くない状況にもかかわらず、こうして受容してしまうタイプの人は、マイナス感情をそのまま受け入れ、放置するがために、そのままどんどんマイナス方向へと進み、絶望の淵に立たされてしまうことがあります。

◆ 自己認識力を高めるには

自己認識力を高めるには、いつも自分自身の感情と向き合い、それを把握する努力を重ねるしかありません。「自分でも訳がわからない」状態をできるだけなくすように意識し、自分は今何を思っているのか、客観的に自分の感情を見つめながら、自問自答することが大切です。 とはいえ、それを実践するのはなかなか難しい。そこで具体的な方法を少しご紹介しておきましょう。

1.手紙や日記を書く

手紙や日記は、自分の感情を表現する手段のひとつです。自分の感情を活字にして表現できる、ということはイコール感情を把握していると言えます。「把握する」という指標は「言葉にできるか」という視点ではかるのが一番わかりやすくて良いでしょう。そういう意味では別に活字にしなくとも、言葉にして話せたらそれで良いのですが、活字にすると、なおスッキリと整理されてしっかり把握することができます。

そうした目的のもとで、友人に手紙を書いたり、日記を毎日つけるのですから、「出来事ベース」では意味がありません。今日は朝8時に起きたとか、誰々さんに会ったとかだけの日誌のような日記ではなく、「こういうことがあって、腹が立った。なぜかと言えば〜〜だと思ったからだ」、「○○さんが言葉をかけてくれて、〜〜だからだと思うと、とても嬉しかった」など、起こった出来事に対してどう感じた、思ったのか。そしてその理由はなぜだろうか、というベースで書くように心がけましょう。

2.メンタルトレーニング

最近メンタルトレーニングという言葉を耳にする機会が増えてきました。 主にスポーツ選手がカラダだけ鍛えてもダメ、精神も強くなければ競技には勝てない、ということでスタートしたと言われているのがメンタルトレーニングです。

このメンタルトレーニングでも、まず初めに「自分を理解する」ことから始まります。スポーツ選手の場合は「楽しかった練習、試合は」とか「イヤだと思った出来事は」など、「今の自分がなぜあるのか」をひとつひとつ確認していくのです。

スポーツをしていなくても、もちろんメンタルトレーニングはできます。
 今までで一番幸せだと思ったことは?
 今までで一番つらかったことは?
 一番信頼できる友だちは誰?
 一番やっていて楽しい仕事は?
など、まずは客観的に設問を作っていきます。 そして、それにひとつひとつ回答を書いていきます。

次に、その理由を考えてみます。  なぜそれが幸せだと思ったのか?  なぜその仕事が楽しいと思うのか?など、その理由に目を向けることで、自分の感情をひとつひとつ解明していくことができます。これがソクラテスも心がけた「無意識の自分を知る」という行為につながっていくでしょう。

自分でメンタルトレーニングをするのは難しい人は、セミナーなどに参加してみるのも良いでしょう。最近はEQセミナーなども活発に行われているので、まずはそうしたものに積極的に取り組んでいくのもひとつの手段です。

◆ 性格論「エニアグラム」

エニアグラムとは、人の性格を9つに分類する性格論のことで、70年代からアメリカで発展し、世界に広がっものです。 人間学や心理学といった分野に属する考え方で「エニアグラム(Enneagram)」はギリシア語で「9」を表す「エニア」と「図」を表す「グラム」、つまり「9の図」という意味になります。

エニアグラムの目的は、
(1)自分を理解すること(自分の中の何を伸ばし、何を改めるべきかを知る
(2)他人を理解すること(他人とよりよい関係をもつこと)
の2つです。

また、エニアグラムを理解することで、
(1)自己理解と自己受容が深まる
(2)自己理解と自己受容が深まるにつれ、他者理解、他者受容ができるようになり、人間関係の改善につながる
(3)人間としての成長のしかたが分かり、自分をよりよく活かす、自己実現を目指せる。
というような効果が期待できるとされています。

近年では、キャリアプランや転職など、自分の生き方に関連して用いられることも多くなってきています。こうした分析手法を上手く活用して、自分発見を楽しむのも良いでしょう。
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