「むくみ危険度チェック」解説コラム“むくむ”とは、どういう状態?
むくみとは、「浮腫み」とも書き、正式には浮腫(ふしゅ)といいます。
血管からしみ出した水分(血しょう成分)が血管に戻れず、余分な水分が皮膚の下に溜まっている状態をいいます。
特に立ちっぱなしの仕事やデスクワークなどで、同じ姿勢を取り続ける人は、足がむくみやすくなります。これは全身の血行が悪くなる上に、重力によって、ますます余計な水分が足に溜まってしまうからです。 むくみの種類
むくみには大きく分けて2つあります。1つは一過性のもの。もう1つは病気などが原因のものです。数時間から1日のうちで解消される場合は心配ありませんが、何日も続いたり、対策をしてもむくみが改善されなかったりする場合は病気の可能性を疑った方がいいでしょう。足首を親指で押さえると、しばらく指の型が取れない場合は病院に行くことをお勧めします。
むくみを引き起こす病気は、肝臓病、腎臓病、心臓病、血管やリンパ管の障害、貧血などが考えられます。また妊娠中の人は特にむくみやすく、むくみが悪化することで妊娠中毒の可能性が高まるので、むくみが気になった場合は、すぐに産婦人科に受診しましょう。 むくみが与える悪影響
先に紹介したように、むくみは何かしらの病気が原因で起こっている場合があります。この場合は、まず原因を追及し、根本治療にあたることが大切です。
では一過性のむくみの場合、単に「パンパンに腫れている」だけで済まされるのでしょうか。 いえ、むくみはそのまま放置して悪化すると、老廃物などと結びついて、“一度付いたらなかなか落ちない”と言われるセルライトになってしまうのです。 さらに、むくみが常駐することで、重力でどんどん肌が下に引っ張られ、たるみを作る原因にもなってしまいます。コラーゲン組織を破壊し、シワの原因にもなります。さらには目の下のクマを作る原因にもなるなど、顔のむくみは美容の天敵。こまめに解消し、溜めないようにすることが重要です。 むくみの原因
・塩分の摂り過ぎ
塩分を摂りすぎることで、水分調節がうまくできなくなり、余計な水分がどんどん溜まってしまいます。塩辛いもの、味付けの濃いものを避け、薄口を心がけましょう。 1日の食塩摂取量は10g以下とされていますが、無意識に食塩が含まれていることもあるので、意識的には6~7gに抑えるようにしましょう。 ・カラダの冷え カラダが冷えることで、血行が悪くなり、血液が溜まってしまいます。そのため、むくみとなって手足がパンパンに…。 足先はいつも靴下をはくなどして温め、冷えないように注意しましょう。冷たい物ばかりを飲み食いするのも、カラダを中から冷やす原因になるので気を付けましょう。 ・長時間同じ姿勢でいる 長時間にわたって座っている、または立っていると、足の筋肉をほとんど使わなかったり、逆に足が疲労し、血液やリンパの流れが悪くなります。さらに重力で水分が下へ下へと溜まっていき、これが足がむくむ原因となるのです。 ・締め付けのキツイ下着、靴 特に女性に多いでしょうが、サイズの合っていない下着はむくみの元になります。ギュウギュウのガードルやブラジャーを着けていることで、カラダが締め付けられ、血行が阻害されることによって、むくみが生じます。同時に冷え症も引き起こすため、きつすぎる下着は絶対に避けるようにしましょう。 同様にキツイ靴も足のむくみの原因になるので、立ち仕事の人は特に靴選びは慎重に。 ・水分の摂りすぎ、摂らなさすぎ 人間にとって水分補給は非常に重要です。普段から水分をしっかりと摂ることで、血液をサラサラに保ってくれる効果もあります。適切な水分補給はむくみ対策にも有効で、日中は多め、夜は少なめに補給すると良いでしょう。 逆に水分を摂りすぎるのも注意。特にジュースなどの甘いもの、味の濃いものばかりを飲んでいる人は、水やスポーツドリンク、イオン水など、カラダが吸収しやすいものに変え、糖分を控えましょう。 また冷たいものではなく、できるだけあたたかいものを飲むようにしましょう。 ・アルコールの飲み過ぎ アルコールを飲み過ぎると、血中のアルコール濃度が高くなりすぎ、それを抑えようと、水分をどんどん血管内に取り込もうとします。この時、余計に水分を取り込みすぎて水分調整がうまく行かなくなり、むくみとなってしまうのです。 アルコールによるむくみは主に顔に出ます。夜、飲んで帰って翌朝、顔がパンパン…という時は、アルコールによるむくみだと思って間違いないでしょう。 その他、女性ホルモンの影響や骨格の歪みによる血行不良が原因となる場合、睡眠不足やストレスによって自律神経のバランスが崩れることで引き起こされるむくみなど、原因はさまざまです。むくみが頻繁に起こる人は、自分のむくみの原因を考えてみて、原因になっていることをひとつひとつ取り除いていくようにしましょう。 むくみの解消法
むくみは、余計にたまった水分を流して血液やリンパの流れをよくすることが大切です。そのためには、適度な運動をすることが重要ですが、なかなか運動ができない人は、それぞれのむくんでいる箇所に応じたケアをしましょう。 足がむくんだ場合は、足湯が一番。足先をあたためて、ゆっくりとほぐしてあげることで足の血行を促進し、むくみを解消させます。また、寝るときは足枕をして、心臓よりも足を高くして寝ると効果的です。ふくらはぎや膝の裏側など、リンパの流れに沿って、しっかりマッサージして、足全体のむくみを解消してあげましょう。 また食生活を見直すことも重要。むくみ解消には塩分(ナトリウム)の排出を助けるカリウムを多く含む食品を摂ることが大切です。果物類(バナナやリンゴ、キウイなど)や野菜類(豆類、キュウリ、トマト、かぼちゃ、イモ類など)、海藻などに多く含まれているので、むくみやすい人は日頃から積極的に摂るように心がけましょう。 もちろん、塩分を控えることも必須です。そしてアルコール過多も厳禁ですね。 こまめにむくみを解消しつつ、根本的な原因を取り除くように心がけましょう。むくみ知らずのカラダは快適なものですよ! |
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