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08年08月19日(火)
レーザーレーサー |
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今日のオリンピックは野球の中国戦だけど、これはさすがに勝つだろう。 中国にどんだけ人口が多くっても、これまで小中高と野球漬けになる文化が無かったんだから。 バッティングセンターなんか無いだろうし。 多くの地域では野球場どころかグローブすら売ってないと思うし。
次のロンドンオリンピックからは競技から外されるってことだけど、国全体で熱心に野球やってるところって、発祥地のアメリカと、戦後影響を強く受けた日本と韓国と台湾と、あとはオーストラリアですか。ヨーロッパなんかではぜんぜんメジャーじゃないし。アフリカとか中東あたりだと「何それ?」って感じかもしれない。 だいたい北京オリンピックの参加国は204ヶ国もあるんだけど、野球競技の参加国数はたった8ヶ国だ。まあその前に地域で予選やってるけど。
世界的にメジャーとは言えない競技は他にもある。フェンシングだとかカヌースラロームだとか馬術だとかテコンドーだとか。でもこういうのはそんなに問題にならない。 野球の重大な問題点は、ドでかい競技場を建設しなければならないということだ。 開催国の威信があるから、草野球場みたいに野原の草刈って照明おっ立てただけみたいなところでやらせるわけにはいかないだろうし。 北京では作ってくれたけど、いくつも作るわけにはいかないから8ヶ国しか参加できない。ヨーロッパでは、サッカーにもラグビーにも使い回しできそうにないそんな競技場をわざわざ作ってくれる国なんてほとんど無いだろう。
そんなこんなで最後のチャンスになるであろう今回の北京五輪で、何とか金メダルを取りたいのにイマイチぱっとしない野球の話題は、これぐらいにしておいて。
今回のオリンピックでの一番の話題は、やはり競泳だ。 マイケル・フェルペスが空前絶後の8冠。 日本の誇り北島康介の2冠。 そしてフェルペスは8個中7個が、北島も100平で、世界新記録。 北京五輪の競泳では実に22個(たぶん)もの世界新記録が樹立されたのである。
この記録ラッシュの立役者は、間違いなく、話題沸騰なスピード社のレーザーレーサーという水着である。(記録樹立者とレーザーレーサーの着用者の相関関係データは無いけど。) http://www.speedo.jp/lzr_racer_list.html
スポンサード契約の関係などもあって、日本でもオリンピックの前にすったもんだしたこの水着問題だけど、結局のところ水泳連盟だけじゃなくて、メーカーであるミズノやナイキまでもが「どうぞ好きなのを着てください」と事実上の白旗を振った。当たり前だ。「ミズノのせいで北島が負けた」なんて言われたらどんだけの損害になることか。 そのレーザーレーサー。
この水着はいったい何がどう違うのか。 その理由が今月号のNEWTONの記事で特集されていた。
日本では山本化学という大阪の会社が「たこ焼きラバー」なんていう素材で「これでレーザーレーサーに勝てる!」と頑張っていたけれど。 http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/trail/080801_yamamoto2/
たこ焼きラバーを使った水着とレーザーレーサーを比較したという話は聞いたことが無いから、実際にどちらが速いのかはわからない。 しかしたぶん、レーザーレーサーの方が速いと思う。 そもそも化学繊維というのは日本のお家芸で、アディダスだってナイキだって素材はTORAYとか帝人とか旭化成とかのを使ってたりするのに、なんでイギリスなんかの、それも繊維メーカーじゃなくて水着メーカーが、画期的な素材を開発できるのか。
そもそもの問題が、そうじゃないのである。
従来水着というのは水泳にとって邪魔な抵抗物だった。 だからなるべく小さい方が良い。これが過去の常識だった。 ところがスピード社は発想を大転換して、体の抵抗になる出っ張り部分を水着で締め付けて引っ込める、という方法を取ったのだ。
レーザーレーサーには黒い部分と灰色の部分があるんだけど、灰色の部分は「レーザーパネル」といって、ポリウレタン製のほとんど伸縮性の無い素材だ。伸縮性が無いから、締め付けがきつい、抵抗になる出っ張りを引っ込める、水を吸わないから重さが増えない、但し着にくい。そういう特徴である。 もちろん、縫い目が全く無いとか、極薄で軽いとか、撥水性があるとか、ほかにも速い要素はいっぱいあるんだけど、本質はやっぱり体型を変えてしまおうという発想なのだ。 いくら表面がツルツルしてようと、四角いモン転がすより丸いモン転がす方がよく転がるのは当たり前である。
だから、化学繊維を作るメーカーが、たこ焼きラバーみたいな素材で、水との親和性を云々するっていうのは各論にすぎないのだ。 これでは、総論として「如何に速く泳ぐか」ということにソリューションを提示してみせた水着に太刀打ちできるわけがないのだ。
とりあえず、これからの競泳用水着のトレンドはスピード社が先鞭をつけた方向に進むだろう。それで4年後には、選手の体格に合わせてパネルの位置とかサイズを最適化する、みたいなことになってるかもしれない。
この水着、北島康介が着ていたショートスパッツだったら28000円で買えてしまう。 だけど着用するのに3人がかりで10分もかかるということなので、爆発的に売れまくるということは残念ながら無いと思う。
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| 【記録グラフ】 |
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