難しい話。【こんなはずじゃないさんの健康管理カラダカラノート】

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09年09月11日(金)

難しい話。

< 日本へ。  | 飲みませんか? >
今、オバマさんの地位を危うくしそうな感じの医療制度改革案。
こっちではBIGな話題です。
ニュースで聞いて“なんのこっちゃ?”くらいの疑問を感じた方は、
“ふ~ん”くらいに聞いていてくださいませ。

日本人にしたら、ないほうがおかしい国民医療保険。
でもアメリカには国民医療保険がない。
ほんじゃ、みんなどうしてるの?
こっちでは、個人個人が日本の生命保険みたいに自分で保険屋さんを探して、
いろんなプランを見比べて、これ!って思う保険に入るんです。
でもそうやって個人で入る健康保険はべらぼうに高い。
だから多くの場合、企業がグループ健康保険っていうのに入って、
社員はその会社が入ってる保険のメンバーになります。
会社は求人のときに「うちはグループ健康保険がありますよ。」っていうと売りになるし、
就職希望者も社員になれば団体料金で保険を得られるので、双方が得になります。
保険料は、会社の方針によって個人の負担額の割合も変わります。
うちの場合は社員の保険料の7割を会社負担、3割が個人負担です。
ちなみに4人家族の保険料は医療+歯科合わせて月々約11万3350円。
グループで入っていてもこのお値段!
こんなの会社がいくらか負担してくれなきゃ払えるわけがない。
ましてや職がない人たちは、これより更に高い金額を全部自分で払わないといけないのです。
だから今特にこの景気でアメリカには健康保険がない人がいっぱいいるんです。
しかも、この制度の問題は健康保険を持っている人にも襲い掛かります。
例えば私が事故に遭って意識不明の重態になったら、会社で働くことはできません。
そしたら有給を使い切った時点で会社を辞めなければなりません。
私は今から手術を受けて病院で助けてもらわないといけないのに、
会社を辞めたから保険がない!
そう。人が入院して最も医療が必要なときに、保険はないのです。
だからオバマさんは職がない人が医療を受けられないのは不公平だ!って言っているのです。

ほんじゃ、なんで共和党の人たちは不公平をなくすこんな素晴らしい案に反対なの?
もちろんそれには莫大な税金がかかり、いずれは増税に繋がるから。
共和党の支持者には企業家や雇用が安定している人(軍・政府関係とか)が多く、
個人の健康保険料を払う方が増税よりよっぽど安いと思う人が多いということは言えるかも。
また大企業では保険料を会社が100%負担してくれるところもあります
だから大企業に勤めて安定した職のある人は、今の制度はタダで保険が貰えて、増税はナシ。
でも実際はそんなリッチな人や安定雇用されてる人たちだけじゃなく、
低所得者だって国保に反対している人がいっぱいいます。
なんで?
それは彼らが、今の制度なら“保険に加入しないことを選べる”から。
今の制度なら保険に加入しなければ保険料は払わなくていいでしょう?
でも税金になったら払わなくてはいけない。それが嫌なんです。
じゃあ病気になったらどうするの?
それは。一定の基準で低所得者と認められた人が救急治療が必要になった場合、
救急治療は州からお金がおりるのです。
だから、最悪の場合、保険なんてなくても治療は受けられる。
これは本当に医療費を払えない貧困層にとっては重要な制度です。
でも本当に残念なことにこれを悪用する人もいる。
私の会社にも、その制度をズルく使っている人が何人かいます。
もちろんそれは違法です。でも州はちゃんとチェックをしないんです。
そしてその子たちは国保制度を反対しています。
残念ながら、そういう違法行為をしている子達は、
最終的に州が医療費を負担しているということは、
その分の税金が自分たち納税者に課税されてることを分かってないんです。
これは、低所得者の方々がみんなズルをしようって思ってるわけじゃないし、
共和党の人でももっと別の観点から反対している人もいっぱいいます。
でも、残念ながら、こういう法の抜け道を当てにしている人もたくさんいるのです。

教育とは、本当に大事なものだなって。
この国にいたら、そこかしこで考えさせられてしまうのです。


コメント
YGT 2009/09/11 09:56
ありゃ。
明日の映画はこの話題でいただき。^^

今日のそっちは。
黙祷。
 こんなはずじゃない 2009/09/11 21:36
そうなの~。
今日は9・11だ~ね~。
雨の9・11なんてテロ起きて以来初めてじゃないかな~。
テロが起きた日は快晴だったけど、ツインタワーからの煙が
会社の辺りに今日の雨雲みたいに漂って、暗い一日だった。
maruomaru 2009/09/11 12:51
興味深く読ませてもらいましたよ、こんなちゃん!
医療保険に加入できない低所得層にも国民保険制度に反対する人達がいるとは
思いもよらなかったです。なるほどねぇ。
みんな目先の損得にとらわれて、その先にあるものが見えないんだわね。オバマさんも大変だ。
実は「税と社会保障移転による相対的貧困率削減効果」、OECD17カ国の中で日本とアメリカは
他を大きく引き離し、突出して悪いの。国は豊かなのに社会保障が十分でなく、格差が極端に
拡がっている国ってことね。
北欧やヨーロッパ諸国のように社会保障がしっかりしている国は税金がメチャ高い。でも、医療や
教育を受けられない極端な貧困層も生まれない。弱者切捨てではなく、国民同士が支えあってる構造だよね。
日本でも最近そういう政策がやっと言われ始めているけれど、自分の財布から他者の為にお金が徴収されると
思うと「なぜ私が怠け者の分も払うのだ」と反対する金持ちや、徴収されるのはどんな理由でもイヤという
低所得者の反対に遭ってなかなか実現しない。
他人の為・・・に思えることでも、めぐり巡って自分も助かる仕組みに気が付かない。
これを実現するにはこんなちゃんが言うように教育なんです。そのひと言に尽きる。
欧州、北欧の成熟した社会は、アメリカにとっても日本にとってもまだまだ遠いね~。

 こんなはずじゃない 2009/09/11 21:51
ね~。難しい問題よね~。
実際この国保制度が決まったら、
本当にオバマさんの言うように増税はないのか?
所得税は上がらなくてもソーダ税みたいに
貧困層の生活をも巻き込む増税があるんじゃないか?
国保でどの程度の医療保障がなされるのか?
その保障は一律なのか?それともベーシックだけは一律で、
病室や治療のレベル、リハビリの内容など、個人で選ぶことができるのか?
国保に賛成している私ですらこういった疑問や不安はいっぱいあるから、
反対している人を説得するのは並大抵じゃないと思うよ~。
.taka 2009/09/11 22:18
法律、制度を知らないままに海外で住んだり、あるいは国際結婚したりして、とんでもない目に会ってる人をブログ上で知っています。
そう思うと日本てつくづく良い国なんだと思ってしまいますね。
σ(^_^)自身も海外に今住んでいますが、一応健康保険の使えるところで良かったなと思っています。
WHOには某国の反対で加入させてもらえないけど・・・
しかし、難しい話も読みごたえのある内容で、いささか感心しました(失礼!)
 こんなはずじゃない 2009/09/11 22:30
かはっ~。><  これまたお恥ずかしい。
政策の詳しいことは何も知らないんですよ~。
でも化学工場という仕事柄、常にワーカーさんと話しをするので、いろんな世界が見えてきますね。
日々、お勉強ですね。そして今いる環境に感謝・感謝。(笑)

ほよほよ♪ 2009/09/11 22:29
社会保障制度ってルーズベルト大統領の時から、なんか方向性があったような、、。
国によって、パターンが違うんだよね。
(昔勉強したけど、もう、すっかり忘れてます)
 こんなはずじゃない 2009/09/11 22:35
ルーズベルトさんの時代から!
そんなに長い歴史がある話題に私は踏み込んでしまったのか~。
げげっ。10年早いぞ。恐れ多~ござんした~。(笑)
きのっち 2009/09/12 00:20
なるほどねぇ~
日本でもニュースで取り上げられていましたよ。
でもここまでの内情は伝えられていなかったので、
今 改めて問題の深さを知りました。

オバマさん、ここが踏ん張りどころですね!

と、、、私も珍しく真面目にコメント。( ̄ー ̄)v 
 こんなはずじゃない 2009/09/12 00:42
よその国のことなんて、
ニュースじゃ詳しくは言わないものね~。

けどさ、柄にもないこと日記に書いたらお天と様がびっくり。
今日は思いっきり雨ざんす~。
やっぱ食い気で行かなきゃね~。(笑)
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