次男(眉太)さん
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09年11月18日(水)
22世紀少年(前篇) |
< 朗報!!!
| W杯総括 >
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22世紀は、戦争終結宣言に産声をあげたといってもいい。 2101年、アメリカ、ロシア、中国で編成されていた国連軍が解体されることにより事実上国家戦争がなくなることになったのである。 世界から戦争がなくなったことに対して人々は歓喜した。 地球が震えるほどの大感動の渦に巻き込まれたその日は、世界にとって最も偉大な日とされた。 実際にこれほど世界中が熱気に包まれたことは人類誕生以降一度もなかったしこれからも恐らくはないであろうと断言できるほどであった。
22世紀の人たちにとって、国籍とは自分が今住んでいる場所でしかなかった。 インターネットなどによる情報交換技術の飛躍的な進歩や交通手段の急速な進歩は、誰もが予想していたよりも速いスピードで世界の人々の心の垣根を壊すことになった。 開かれた社会では、独裁者もカリスマ政治家も意味をなさなかった。 あらゆる国の政府が世界中の人々の熱気に導かれるように国際間の調和をとりはじめたのである。 国際間の調和をとらない政府は世界中の人々から非難されるという始末であった。 戦争終結宣言以降、歴史は早足で大きく変化を遂げていくこととなる。
2105年世界共通貨幣シェルが誕生する。 シェルは、太古人類が貨幣として使用していた貝にちなんでおり、世界中の美しい貝をモチーフとした世界貨幣は人々を魅了した。 世界共通貨幣の一番の目的は、為替の変動をなくすことにあった。 変動為替は国家間の経済格差を生むとともに、ヘッジファンドなどが貨幣価値を操ることによりデフレーションやインフレーションが散発する原因となっていた。 世界貨幣を一つにした場合には、インフレーション、デフレーションが起こらないという論文は星の数ほどあったが神話みたいなものと思われていた。 しかし、実際に、世界共通貨幣が生まれたことにより、インフレーション、デフレーションが起こることは一度もなく世界経済は恐ろしいほど安定したのである。
次に行われたのが労働改革であった。 単純労働については、コンピューターシステムにより統括管理が可能となり、人の仕事は、サービス業、メンテナンス業、企画開発業などが主となっていたが、だれの目から見ても市場は飽和状態で本来不要な仕事や会社ばかりに思えるような状態であった。しかし、市場は競争社会であり、労働時間に下がる傾向は見られなかった。 そのような背景の中2121年に、週に2日の労働が世界法典で定められ、我々は有史2100年を経てようやく労働から実質的に解放されたのである。
「国家間の競争、変動為替、国際市場の変遷などは我々に競争を余儀なくさせる原因であった。我々はどんなに文明が発達したとしても労働から解放されないと経済社会に信じ込まされていた。世界国民の協力により我々は大いなる自由を勝ち得ることができた。」
週休5日という同条件の中においても世界人類は大いに競争し、経済発展、技術発展に陰りはみられなかった。 人はいつの間にか競争に勝つためにたくさん労働していたのは明らかであり、衣食住は既に満たされていたのである。 翌日の新聞の一面にはぶらさげたニンジンを追いかけるウサギ達の絵が掲載された。 それは今までの自分たちの社会への皮肉であったが時代の移り変わりを実感するには最高のパフォーマンスであったといえよう。
22世紀が産声を上げてから、人類が平和や自由を次々と勝ち得る姿は輝かしいものがあり、22世紀が人類にとって栄光の世紀になることを人々は疑わなかったのである…。
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