技術者の日常【たんぐさんの健康管理カラダカラノート】

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07年10月19日(金)

技術者の日常

< 久々の22時台帰宅  | フットサル1日目 >
私は会社で技術者をやっている。
運がよいのか悪いのか、社内で一番売れ筋の商品の大事なユニットの開発を行っている。

運が良いというのは、やりがいという面だ。自分の頑張りが会社を動かす。大げさな言い方をすればそういうことになる。
(案外大袈裟でもない。)

運が悪いというのは、とにかく忙しいことだ。残業、残業の毎日で終電で帰らない日のほうが数えるくらいだ。

そんな環境で、自分は制御系開発を行っている。
簡単にいうと、目の前にあるものをどうやって動かすかの仕様を決める立場だ。

例えば洗濯機があっても動かなければ、使い捨ての衣類を洗濯機というごみ箱に投げ込んでいるようなものだ。
ボタンを押したら、給水を○○㍑行い、モータを□□の速度で回転させ・・・といった具合に動かす仕様を書いてはじめて機能する。

私の立場は動かすことをお願いする立場だから、それを実現するためにエレキグループに基板を作ってもらい、ソフトグループにソフトを作ってもらうことになる。

そういうわけで今日はソフトグループとエレキグループと打ち合わせを行った。
通常は私のような若造である設計者と、納期調整や3者間での取り決めを行うリーダーがそれぞれ出席する。

しかし、しかしである。今日はうちは3年目の若造の自分ひとりだ。

それに対して、ソフトグループ、エレキグループにはそれぞれ5,6年目の設計者と40歳前後のリーダーが出席している。

まずい。まずすぎる。打ち合わせ前からやや緊張していた。

打ち合わせがはじまる。所々うちの意見を求められる。
ここで適当なことは言えない。判断できないことは持ち帰り、後日回答というのがセオリーだ。
しかし、当然ながらすべてを持ち帰ることはできない。自分の意見や判断も織り交ぜなければならない。

ここが一番難しい。主張せずに黙っていれば、勝手に仕様が決められてゆき、逆に勝手な判断を自分ですれば、何でそんなことをしたのかと後から言われかねない。

そんなわけでリーダー不在の3者間打ち合わせは、非常に苦しいのだ。

自分で言うのもなんだが、私は割と狂犬な部分を持ち合わせている。
納得いかないところに対して、笑って済ませるということがあまり得意ではないのだ。

打ち合わせをはじめて10分くらい経過したころだろうか。
ソフトグループとエレキグループが、こちらにとって受け入れがたい要求を取り決めようとしたものだから、割って入った。

そのとき、若干声が震えていたのを自覚していた。さあどうする。

「納得いかない」という漠然とした表現では駄目だ。

技術者は具体的な表現でかつロジカルに発言しなければならない。
安部元総理のような発言をしたら、笑ってスルーされるだけだ。

エレキグループのリーダーは強面(こわもて)だ。
しかし、言うことを言ってやった。

一瞬場が凍りつく。

何を若造が生意気なことを、と思った人も少なくなかったのではないだろうか?
それでもひるまない。いや正確には手元が震え、完全にひるんでいたわけだが、引きはしない。ロジカルに主張を続けた。

そこまで自分を駆り立てたものは何か?

それは、エレキグループの発言がお客様の立場にたった発言ではなかったからだ。
確かに面倒くさくてやりたくないことが多いこともわかる。リーダーで偉い人だから、自分なんかよりもっともっとたくさんの仕事を抱えていることもわかっている。

それでもちょっとした頑張りで、お客様が求めていることを少しでも実現してあげられるのならば、やりましょうよ!と

しばらく膠着状態が続いた後、エレキグループのリーダーがおれた。
若さとはすばらしい。怖いものなしだ。
(怖くて震えていたのだが。)

打ち合わせが終わった後、エレキグループのリーダーに

「さっきは生意気なことを言ってすみません」

と謝った。(弱いなあ自分・・・)

エレキグループのリーダーは、謝ることなんか全然ないよ。
君は正しいことを言っているよ。と言ってくれた。

どんな気持ちで言ってくれたか本心までは正直わからなかった。
それでも、悪意がないことはわかった。

その後、エレキグループと完全アウェーの中一緒にご飯を食べた。
社食のくせに焼き魚がとっても美味しかった。

別れ際に「またよろしくな!」と一言。嬉しかった。

その後うちのチームリーダーに報告。
打ち合わせ内容は伝えたが、舞台でどんなことが繰り広げられたかはわかってもらえないだろう。

それでもいい。自分は戦ったのだから。

戦った相手はエレキグループやソフトグループではない。

声や手元が震えて、主張を曲げそうになる自分と、お客様のために自分らしさを曲げまいとする自分と戦ったのだ。

きっとこの頑張りはお客様には伝わらないだろう。
それでもいい。

                技術者の日常

【記録グラフ】
読書時間
10分
読書時間(分) のグラフ
BMI
23.5
BMI() のグラフ
基礎代謝
1572kcal
基礎代謝(kcal) のグラフ
腹筋
30回
腹筋(回) のグラフ
体脂肪率
20.7%
体脂肪率(%) のグラフ
万歩計
13321歩
万歩計(歩) のグラフ
睡眠時間
6.5時間
睡眠時間(時間) のグラフ
体重
67.2kg
体重(kg) のグラフ
 
コメント
Tosshii55 2007/10/20 07:10
ブラボー、感動ドキュメンタリーを読んでいるようで、心がふるえました。
これからもその調子で、お客様第一を貫き通す人が増えていけば、あなたの会社は日本一いや世界一の会社になっていくのでしょうね。

頑張って下さい。
たんぐ 2007/10/21 22:20
Tosshi55さん

コメントを頂きありがとうございます。
本当にTosshi55さんがおっしゃるように、お客様第一を貫くことが何よりも大切だと思います。

日々忙しく仕事をしていると、お客様が本当に何を望んでいるのかを見失うことがありますが、年を重ねても今の気持ちは忘れずに頑張りたいと思います。

ありがとうございました。
まゆげ 2007/10/24 02:48
素晴しい。
私も感動。
特に「声や手元が震えて、主張を曲げそうになる自分と、お客様のために自分らしさを曲げまいとする自分と戦ったのだ。」でやられてしまった。
営業の私こそもっと、お客さまのために戦わなければならないと反省しました。
たんぐ 2007/10/25 00:40
まゆげさん

コメントありがとうございます。
営業をされているんですね。私はいつも営業の方を尊敬しています。

入社してすぐに営業研修を一月ほど経験して、辛い思いをたくさんして、自分にはとても無理だと思ったのを覚えています。

最前線に立たれている方は、自分なんかよりもっともっと辛い思いをたくさんしておられると思います。

だからこそ営業さんが売りやすいものを作るというのも、技術者の大事な責任のひとつだと思っています。私にとっては営業さんもお客様です。

お互い頑張りましょうね^^
wooper 2007/10/27 23:48
初めまして。wooperと申します。
私も半導体の応用技術エンジニアをやっていまして、自社の設計部署やお客さんとの間で板挟みにあうことが多く、たんぐさんの日記を読みながら自分と照らし合わせていました。
自分の意見をしっかり持つこと、自信をもってコミュニケーションすることができていないと日々痛感しています。改めて自分もがんばらなきゃと感じました。

エンジニア以外もそうだと思いますが、お客さんの要求を聞けば聞くほどお仕事は確実に増えます。
この法則の中でがんばらないといけないのですが、これをどこまでできるかは、たんぐさんも書かれているように「お客様第一主義」が心に根を下ろしているかどうかだと思います。
そして、エンジニアはその人自身が周囲からどれだけ信頼されているかという「ブランド」が結構勝負になる時があり、これの大きさが重要だと私は考えています。
自分が楽になることを最優先で考えるエンジニアにが多くなっている気がしますが、そこには決してブランドは生まれないでしょう。

と、えらそうなことを書いてしまいましたが、これからも日記を楽しみにしています。
たんぐ 2007/10/28 00:50
wooperさん
はじめまして。コメント頂きありがとうございます。
wooperさんのおっしゃること非常によくわかります。お客様の要求をきくということは、お客様にとってまだ不足している機能なり、出来ていない部分に着手することですから、仕事は増えますよね。

正直言ってしまえば毎日寝る時間を削って働いている現状では、今以上に仕事を増やしたくないという気持ちはありますし、リーダークラスの自分よりももっともっと多くの仕事を抱えている人が、これ以上余計なことには触れたくない、という気持ちもわかります。

それでも、そこで「しょうがないか」や「そこまではお客さんも求めてないだろう」などと自分で自分のやることの限界を決めてしまうと、それが癖になり、習慣になり、自分の働くスタイルとなることを考えると、それが怖くて、少し無理してでも頑張ろうと思っています。

お客様に対して頑張ることは自分のためにもなっているということ。
そう思うことで今は頑張れているような気がします。

wooperさんのおっしゃった

『エンジニアはその人自身が周囲からどれだけ信頼されているかという「ブランド」が結構勝負になる』

いい言葉ですね。本当にそのとおりだと思いました。

日々の小さな積み重ねが築き上げた信頼が技術者のブランドとなり、ブランド価値のある人の周りに、人が集まり、いいものができていく。

幸いにも私の周りには、すでにブランドを築き上げた方々がたくさんおります。
自分もいつかそうなれるように頑張りたいと思います。

wooperさんも頑張ってください!


P.S.
私の日記では大したことは書けませんので、あまり期待しないでくださいね^^


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