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09年04月04日(土)
西行の無常観 |
< 予防は罹患率減にあ...
| 『言志四録』(げん... >
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写真:西行法師
【桜】 いにしへの奈良の都の八重桜けふ九重に匂ひぬるかな 伊勢大輔
高砂の尾の上の桜咲きにけり外山のかすみ立たずもあらなむ 前中納言匡房
花さそふ嵐の庭の雪ならでふりゆくものはわが身なりけり 入道前太政大臣
花の色は移りにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに 小野小町
ひさかたの光のどけき春の日にしづ心なく花の散るらむ 紀友則
もろともにあはれと思へ山桜花よりほかに知る人もなし 前大僧正行尊 ーーーー・---・----・ーーーー・---・----・ーーー・---・---・---・ 平安後期に西行法師の詠んだ「桜」の有名な歌があります。 西行の歌ばかり集めた私家集である山家集の「上」、「春」にあります。
願わくは花の下にて春死なん その如月の望月の頃 西行法師 「花」との対比でつい心地よく読み流してしまう「望月」ということばについて。 如月の望月(満月)の日、つまり旧暦2月15日は釈迦入滅の日。 この前後に亡くなることは仏教の修業をする者にとっての憧れだった。 ここでは「その」でそのことを言い表しているそうです。
実際西行はこの歌のとおりに1190(文治6)年 2 月16 日に桜の木の下(河内国の弘川寺)で亡くなりました。 73才の生涯を歌人として各地を旅して過ごした出家です。
旧暦の2月になればサクラの花も咲き始めるだろう。 その美しく咲き匂うサクラの花の下で、しかも釈迦入寂と時を同じして最後を迎えたいというのは 西行法師の美学なのだろう。 ーーーー・---・----・ーーーー・---・----・ーーー・---・---・---・ 桜の美しさの向こうに彼岸を想う感性、和歌という定型に凝縮された壮絶な無常観。
日本人の琴線をふるわすもう一首。 桜が夢とうつつ、あちらとこちらをつなぐ触媒であることをとらえてみごとです。
春風の 花を散らすと 見る夢は さめても胸の さわぐなりけり
ーーーー・---・----・ーーーー・---・----・ーーー・---・---・---・ 花と月をこよなく愛した漂泊の歌人 【 あの人の人生を知ろう ~ 西行法師 】Saigyo Houshi 1118-1190.2.16
西行は出家を前にこんな歌を詠んでいる。
『世を捨つる人はまことに捨つるかは 捨てぬ人をぞ捨つるとはいふ』
(出家した人は悟りや救いを求めており本当に世を捨てたとは言えない。出家しない人こそ自分を捨てているのだ) http://kajipon.sakura.ne.jp/kt/haka-topic23.html
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