順番を巡る激しい攻防【maruomaruさんの健康管理カラダカラノート】

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09年05月13日(水)

順番を巡る激しい攻防

< 読書に迷う&四川大...  | 上海料理について >
【今日やった運動】 ジムジョギング

【運動した時間】 65分(7.9km)←8kmまであと少し!

【新たな発見】 朝はジムを利用する人が結構いる。
今朝は、つい親近感が湧いてしまうぽっちゃりした愛嬌美人とシンガポールの筋肉老人と3人で並んで走る。

【今日の感想】 走った後の水が美味い!
体が欲している時の水ってなんて美味しいの。それこそ甘露の味わい。
走った後の水と、深酒して寝た夜に喉の渇きで目が覚めて、水道から直に飲む水の美味さに適うものなし。

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ヤマザキにパンを買いに行く。
ヤマザキパンは上海でも成功していて、四年前にはそごうにしか入っていなかった店舗も、
その後順調に店舗を増やし、今では市内三店舗。うちの近所の太平洋百貨にも入って賑わっている。

いつものイギリスパンとゴマ食パンを手にレジに向かった。
レジカウンターでは眼鏡の女性がパンを清算してもらっていたので、その後ろに付く。
すると右からランニングに半ズボン姿のジイさんが現れ、私の前にその身をねじりこんできた。

「並んでます。私、並んでるんですけど」

訴える私の声などまるで聞こえてないかのようにジジイは無表情で前を見たまま動かない。
肩をつんつんしてやらねばと思った矢先、左からドンと体当たりされた。
びっくりして見たらポニーテールの若い女がすました顔でパンを載せたトレイを
カウンターに滑らせるところだった。後ろの人もぐいぐい押してくる。
ジジイに気を取られているうちに四面楚歌の状態になっている自分に気付く。
私は慌ててしまった。

「あのあのあの、私並んでいるんです。今、私の番なんですけど」

言い終わらないうちにポニーテールがヒステリックにわめいた。

「あんたの前に並んでいた眼鏡の娘のツレなのよ、あたしっ!」
ツレの眼鏡が横で激しくうなずいている。

はい? 
じゃあ何か?もしあと4人ツレがいたら、全員私の前に入って清算していいってことですか?
おかしくないですか?メチャクチャな理屈じゃないですか?

だけど、この国では他を力で圧倒したものが勝ち。
この場合、普通なら店員のレジ係は目の前に最初に出てきたトレイを先に清算する。
今まで何十回、もしかしたら数百回とこういう思いはしてきた。
不正を許してしまう社会、それが中国にズルやマナー違反を蔓延させ、この国を無秩序にしている最大の理由だ。
しかしこういう場合、後追いはしない方がいい。
中国でのケンカはエネルギー消耗が激しい割りには達成感がない。だって必ずしも正義が勝つわけではないから。
理不尽な思いをして深い疲労感と虚無感を感じるだけ。やり過ごすのが賢明。

諦めてポニーテールにもジジイにも順番を譲ろうとしたその時、奇跡が起こった。
レジの小柄な女性が蚊の泣くような声で、「ちゃんと並んでください」
そう言って、ふんぞり返るポニーテールと石像みたいなジジイの間から手を伸ばし、
私の食パンを取ってくれたのだ。
正直、耳も目も疑った。だって、だって、こんな逆転勝利って初めてなんだものー。

もちろん、ポニーテールはブチ切れた。
レジに向けてトレイを乱暴に放って「じゃあ、もう要らないわよっ!」と叫んだのだ。(これもこっちでは普通)

レジの小柄店員はオドオドして困っていたが、眼鏡が必死に説得したにも関わらず、
ポニーテールの怒りは増すばかり、結局ブリブリ怒りながら帰って行った。

レジ店員の目に怯えたような色が浮かんだのが心配で、
「あなたは何も間違った事をしていない。どうもありがとう」
そういうと、彼女はちょっとだけニッコリ笑った。

上海では正しい事と間違っている事があやふやだったり逆転している場合があるから
彼女が仕事を失ったりしないか心配だ。感謝レターでも書いたほうがいいかなと考えている。

しかし、さすがは日系企業ヤマザキ。
ナイス、社員教育!




【記録グラフ】
走行距離
7.9km
走行距離(km) のグラフ
ジョギング
65分
ジョギング(分) のグラフ
体重
52kg
体重(kg) のグラフ
コメント
ブルドッグ 2009/05/13 23:08
これくらいの話は世界中いたるところにあります。アメリカだって割り込みはしょっちゅうです。フランス当たりはもっと酷い感じです。ただ中国ほど盗人猛々しい感じはないだけではないでしょうか。
日本だって特にオバチャンの人を人とも思わない態度には時々こちらが切れそうになるくらいです。こちらが相手も順番を守ると期待するからイライラするので割り込ませないように隙を見せないことではないでしょうか
 maruomaru 2009/05/14 11:25
全くおっしゃる通りです。私もボンヤリしているから隙を与えてしまうんですね。
もうちょっと体に緊張感を漲らせて、手負いの熊みたいな顔して歩かないといけません。
それにしてもアメリカやフランスでもそうだなんて、ちょっと驚いています。
私も傍若無人な日本のオバチャンの仲間入りしないよう、日々気をつけようと思います。
lionmarue 2009/05/14 04:29
なんか判り易い世界ですね。
大岡裁き・水戸黄門あたりが似合いそうな・・・
 maruomaru 2009/05/14 11:31
ハハハ、ものすごくエネルギッシュですよ。(ものは言いよう)
最初の3年はこの勢いが刺激的でしたが、最近はややバテ気味です。
でも、日々姿を変える街の風景と一緒で、人の意識も速いスピードで変化しているような
気もします。
YGT 2009/05/14 12:57
わははは。
日本で中国に対抗できそうなのは、通勤ラッシュ・・だと
思ってたけど。
中国で考え変わりました(たまたま?)。
山手線のギュウギュウなんて快適快適。
さらに大変なのはインドくらい?
そもそも電車何時間も来ないし。^^;;

maruomaru 2009/05/14 13:14
日本の通勤ラッシュも旧正月の里帰り列車に比べたら何でもありませんよ。
ぎゅうぎゅうの状態で、トイレにも7,8人立った状態で二十何時間とか、
もっと遠い場合は3日間列車に揺られて帰るのですから。想像を絶します。
私が彼らに勝てる部分は一つもないです。

ところでインド!マヤワティーが首相選挙に出てますね。
不可植民出身の首相誕生なるか。
インドのカーストやアンベードカル思想をずっと追ってきた山際素男さんは
数ヶ月前にお亡くなりになりましたが、彼がもし生きておられたらどう思われたでしょう。
はりそん705 2009/05/14 13:44
本当に。
マナーは忘れてはいけないなぁー。と実感。
文化の違いがあるのでしょうけど、ひどいですね。

朝の通勤電車でのこと。
普通はホームで2列に並ぶはず。
なんですけど、最近の傾向は1列。
私は、おばさん根性出して2列の先頭を切る。
だってそれでなくても狭いホームなのに。なぜ?一列????

順番守らない。割り込む。譲らない。人にぶつかっても謝らない。
変な人は増えてます。
だからと言って、それに倣っちゃいけないと、降りる際は声掛けてます。
「すみません。降ります。」
これで、普通の人は行く先を開けてくれます。
何も言わないで降りようとすると、梃でも動かんばかり抵抗されます。(笑)

 maruomaru 2009/05/14 19:58
はりそん705さん、こんばんは。
何だか日本でも大変そうですね。帰るのが不安になってきた・・・。
マナーは人間が集団で生きる中で、気持ちよく効率よくものごとを運べるよう、
必然的に生まれた知恵だと思うのですが、皆が守らないと機能しないんですよね~。



YGT 2009/05/15 14:47
インド。
どうなりますかねえ。
とてつもなく根強い文化?がヒックリカエッタラ。
ドラスティックにかわるでしょうねえ。
彼らのエネルギーは半端ではありませんから。
 maruomaru 2009/05/15 16:57
根強い文化ですが、そもそもが紀元前1500年頃にインド亜大陸に入り込んできた
アーリア人達が自分達の統治に都合が良いように作り出したのがカースト制度ですからね。

この制度の残酷さ、不平等さ、理不尽さに目覚め闘い続けたきた勇気ある人々に
光が当たりますよう。
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