maruomaruさん
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09年11月02日(月)
北風が運んだ幻想 |
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< かわいい来訪者
| 慌しくなってきたぞ... >
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北風が吹いて、突然冬がやってきた今日、親愛なる写真家さんと昼ゴハンを食べる 約束をしていたので、スタジオで彼の作業が終わるのをノンビリ待っていました。 小道具やら照明やら機具やらがそこらじゅうに散らかるスタジオで、写真家さんと アシスタントは写真の整理と打ち合わせに何やら慌しく動き回っています。 私はソファーに座って、彼の作品に見惚れたり、てきぱき動く彼らを目で追ったりしていました。 そこに突然ドアが開き、西洋人の母子が顔を覗かせた。陽気な西洋人スマイルが視界いっぱいに弾ける。 先週撮影した家族写真を受け取りに来たお客さんでした。 そのとき、写真家さんがCDのスイッチを入れました。 広いスタジオ一杯を降るように満たしたのはパッヘルベルのカノン。 高校時代に始めて聞いてから、俗っぽいといわれようが、少女趣味といわれようが、 ずっと特別な曲です。脳の中の快感物質がドゥワーと放出されてウットリ夢見心地に。
チラリと見えた家族写真はオールド上海の香り漂う路地で撮影されたもの。 全員が完璧な笑顔です。スタジオで家族写真を撮りなれてる人種は、この手の写真で ちゃんとベストスマイルを残せるものです。間違っても泣いてる子供なんていません。 まだ一歳に満たない赤ちゃんまでが「メチャメチャ笑ってます!」って顔で写ってました。 家族の幸せの記録がそこには焼きついていました。
母親が写真家さんと写真を見ながらああでもないこうでもない話している間に、 6歳くらいの女の子は飽きてきたのでしょう。 ひらすら何度も流され続けるカノンにあわせてアイルランド舞踊のようなステップを 踏み始めました。リズムに合わせて床を打つ軽快な音が響きます。 音調がゆっくりになると、今度は大きな鏡の前でバレエのポーズでくるくる回り始めました。 あごの辺りで切り揃えた金髪が揺れ、そばかすの顔が回ります。
金粉の雨のように降り注ぐ音楽と、踊る金髪の少女、そして周囲には中国全土の宝物を 閉じ込めたかのような写真の数々。 不思議な空間に紛れ込んだみたいな気持ちになりました。
外では北風がピューピュー吹いていて、時々窓ガラスを乱暴に揺らします。 そのたびにハッと現実に戻るものの、すぐに春の陽だまりのような光景に身を浸してしまう。 ニッコリ頬杖ついたまま、そのまま空気の中に溶けてなくなりそうな気分でした。
冬が突然やってきた日のできごと。 雑多に散らばるスタジオで、壁を埋めつくす写真達と、カノンと、少女のダンス。 明日になったら「夢だったのかな?」なんて思うかもしれません。そんなひと時でした。
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| 【記録グラフ】 |
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